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昭和63年第 1回 2月定例会-02月29日-02号

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  1. 広島市議会 1988-02-29
    昭和63年第 1回 2月定例会-02月29日-02号


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    昭和63年第 1回 2月定例会-02月29日-02号昭和63年第 1回 2月定例会        昭和63年第1回広島市議会定例会会議録(第2号)            広 島 市 議 会 議 事 日 程                            昭和63年2月29日                            午前10時開議                日    程  第1 自第1号議案 昭和63年度広島市一般会計予算     至第51号議案 契約の締結について            (広島大学工学部跡地分譲住宅(仮称)新築工事)     (総括質問)  ─────────────────────────────────            会 議 に 付 し た 事 件 等  開議宣告(終了)  会議録署名者の指名(終了)  日程に入る旨の宣告(終了)  日程第1 自第1号議案 昭和63年度広島市一般会計予算       至第51号議案 契約の締結について
          (総括質問)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行)  休憩宣告(終了)  開議宣告(終了)  総括質問(続行し,明日も続行)  次会の開議通知(3月1日午前10時を宣告)  散会宣告(終了)  ─────────────────────────────────              出 席 議 員 氏 名   2番  松 平 幹 男 君     3番  多 田 敏 治 君   4番  仲 津 幸 男 君     5番  児 玉 光 禎 君   6番  平 野 博 昭 君     7番  熊 本 良 作 君   8番  三 戸 應 則 君     9番  土 井 哲 男 君   10番  藤 田 博 之 君     11番  加 藤 万 蔵 君   12番  栗 栖   晃 君     13番  坂 根 喜三郎 君   14番  皆 川 恵 史 君     15番  奥 田 幹 二 君   16番  福 島 和 宏 君     17番  中 山 忠 幸 君   18番  松 井 邦 雄 君     19番  種 清 和 夫 君   20番  浅 尾 宰 正 君     21番  村 岡 節 吾 君   22番  山 口 氏 康 君     23番  田 辺 秀太郎 君   24番  碓 井 法 明 君     25番  藤 川   武 君   26番  下向井   敏 君     27番  都志見 信 夫 君   28番  鈩 谷 君 子 君     29番  中 本 康 雄 君   30番  石 川 武 彦 君     31番  戸 田   満 君   32番  鶴 見 和 夫 君     33番  住 田 孝 行 君   34番  木 島   丘 君     35番  神 明 政 三 君   36番  西 村 敏 蔵 君     37番  正 畠 明 雄 君   38番  伊 藤 稲 造 君     39番  月 村 俊 雄 君   40番  増 田 正 昭 君     41番  前 本 一 美 君   42番  松 浦 弘 典 君     43番  牧 里 重 喜 君   44番  井 上   貞 君     45番  松 尾 好 子 君   46番  前   恵 介 君     47番  桜 井 康 民 君   48番  大勢登 康 憲 君     49番  鈴 木   修 君   50番  中 本   弘 君     51番  山 科 美 里 君   52番  海 徳   貢 君     53番  永 田   明 君   54番  元 田   猛 君     55番  瀬 川 吉 郎 君   56番  兼 桝 栄 二 君     58番  竹 永   勇 君   59番  山 本   誠 君     60番  米 田 十 郎 君   61番  八 百 千頭夫 君     62番  宮 本 正 夫 君   63番  柳 坪   進 君     64番  明 星 正 明 君  ─────────────────────────────────              欠 席 議 員 氏 名   1番  谷 川 正 徳 君     57番  今 田   智 君  ─────────────────────────────────        職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名 事 務 局 長 浜 井 澄 人 君  事務局次長議事課長事務取扱                          河 野 康 文 君 議 事 係 長 山 根   進 君 外関係職員  ─────────────────────────────────            説明のため出席した者の職氏名 市    長 荒 木   武 君  助    役 福 島 隆 義 君 助    役 椎 名   彪 君  収  入  役 佐々木 真 二 君 市 長 室 長 池 田 正 彦 君  企画調整局長 石 橋 正 行 君 総 務 局 長 村 上   健 君  財 政 局 長 山 下   茂 君 民 生 局 長 堀 部 尚 雄 君  衛 生 局 長 吉 田 哲 彦 君 環境事業局長 鍋 岡 聖 剛 君  経 済 局 長 和 泉 禎 一 君 都市整備局長 川 村 尋 男 君  建 設 局 長 柳 川 幸 雄 君 下 水 道局長 青 井 靖 夫 君  消 防 局 長 石 田 嘉 堆 君 水 道 局 長 山 根 龍 春 君  広島市民病院事務局長                          小笠原 大 昭 君 安佐市民病院事務部長        財 政 局次長 伊 藤 利 彦 君        平 田 成 行 君 財 政 課 長 藤 井 克 己 君  教育委員会委員長                          藤 井   尚 君 教  育  長 宮 永 聰 夫 君  選挙管理委員会事務局長                          斉 藤   勇 君 人事委員会事務局長         代表監査委員 網 井 信 昭 君        天 倉 松三郎君  ─────────────────────────────────              午前10時16分開議              出席議員 53名              欠席議員 11名 ○議長(柳坪進君) おはようございます。出席議員53名であります。  ─────────────────────────────────                開議宣告  ───────────────────────────────── ○議長(柳坪進君) これより本日の会議を開きます。  ─────────────────────────────────             会議録署名者の指名  ───────────────────────────────── ○議長(柳坪進君) 本日の会議録署名者として             19番 種 清 和 夫 君             27番 都志見 信 夫 君 を御指名いたします。  ─────────────────────────────────             日程に入る旨の宣告  ───────────────────────────────── ○議長(柳坪進君) これより日程に入ります。  ───────────────────────────────── △日程第1 自第1号議案 昭和63年度広島市一般会計予算       至第51号議案 契約の締結について(広島大学工学部跡地分譲住宅(仮称)新築工事)       (総括質問)  ───────────────────────────────── ○議長(柳坪進君) 日程第1,第1号議案ないし第51号議案を一括議題にいたします。  これより総括質問を行います。発言通告者に発言を順次許します。10番藤田博之君。           〔10番藤田博之君登壇〕(拍手) ◆10番(藤田博之君) おはようございます。自由民主党の藤田博之でございます。昭和63年第1回定例議会の冒頭をお許しをいただき,自由民主党を代表して総括質問させていただきます。
     今定例議会の開会に当たり,特に柳坪議長がごあいさつをされましたとおり,昭和63年は,国の内外はもちろん,広島市にとりましても殊のほか厳しい年であります。  このときに当たり,以下数項目につきまして,荒木市長を初め関係理事者にお尋ねをいたします。何とぞ親切にして明快なる御答弁をお願いを申し上げます。  また,時間の関係で若干早口で質問をいたしますが,よろしくお願いを申し上げます。  まず最初に,昭和63年度予算案の概要についてお尋ねをいたします。  乱高下した世界経済の中で迎えました昭和63年は,円の高値横ばいとアメリカやEC諸国を初め世界各国からの経済的圧力に押しまくられての進展が予測をされます。  さきに,ガットにおいて農産物の自由化を押しつけられた我が国ですが,今度はアメリカが肉やオレンジをガットへ提訴する懸念が生まれてまいりました。  我が国へ公共事業の参入を強く迫っていたアメリカに対し,広島新空港の建設工事までが参入されるリストに上げられました。私どもの身近なところでの土木工事までが世界経済の圧力を受けなければならない時代になってまいりました。  貿易不均衡の不満は,自動車の輸出規制や現地生産,関連企業のコストダウンの限界から,韓国や台湾からの部品の輸入,さらには本年からは,マツダが韓国で共同生産をした乗用車を輸入して国内で販売を始めるなど,今年は,まさにタツ年の名のごとく,まことに厳しい世界経済の影響を真正面から受けなければならない年になることが予測をされるのであります。自動車が農産物を,農産物が自動車を,自動車が広島経済をと考えますと,輸出関連産業を多く抱えた広島の地場企業が及ぼす広島市の今年の経済は,これらの荒波にもまれることは必定と言えましょう。  このときに当たり,荒木市長は,都市基盤の整備と社会資本の充実,障害者対策を柱にした福祉関係施策,21世紀へ向けた情報化社会への対応,おくれている都市機能のソフト面への取り組み等を考え合わせて,公共事業による広島市経済の活性化対策を考えられて,一般会計3,816億7,000万,特別会計1,337億8,000万,企業会計1,132億2,000万,合計6,268億7,500万円と,対前年度比6.5%増の大型予算を提案をされました。  特に,道路整備事業に561億円,公共下水道事業に300億円等を含めた普通建設事業は1,605億円で,対前年比13.7%増であり,うち単独事業費は1,175億円,対前年度比は実に16%増と,まさに驚異的な伸びを示しております。まことに結構なことであろうと思うのであります。何とぞ執行体制をより強化充実され,所期の目的を達成されますようお願いをいたすところであります。  また,この予算を眺めておりますと,喜んでばかりはおれません。歳入を見ますときに,市債の460億円,財政調整基金都市整備事業基金の取り崩し70億円が気にかかるのであります。特に,市債の残高は3,408億円と,63年度の一般会計3,816億円に迫る勢いであります。1年分の一般会計予算と借金の残高が余り違わないことになってまいりました。  63年度市債の償還額300億円は,下水道の建設予算と同額であります。  今後,各種のプロジェクト事業が進む中で,市債の増額はますます加速すると思われますが,将来どのような財政見通しを立てられておられるのか,まず,この点をお伺いをいたします。  次に,ただいまの質問と相反する質問になろうかと思いますが,私は,この際,他の政令指定都市の新年度予算の財政規模を調べてみました。一般会計と特別会計,企業会計の合計額と伸び率を広島市と比較をしてみました。  人口がほぼ同じの北九州市では,7,768億円,2.3%の伸びです。人口が6万人多い川崎市は,7,052億円で9.7%の伸びとなっております。人口が1割多い福岡市は,8,808億円で3.5%の伸びであります。広島市の6,286億円と比べてみますと,川崎市は784億円,北九州市は1,582億円,福岡市に至りましては,実に2,522億円も多くなっているのであります。各市とも今議会に提案されたばかりの予算であります。新聞で知り得た程度の数字でありますから,内容を詳しく分析することはできませんが,私どもはどうして総額においてこんなに差がつくのだろうかと考えさせられるのであります。広島市ももっと知恵が出せるのではないだろうかとも考えられるのでありますが,いかがでございましょうか,お考えを承りたいと思います。  次に,教育問題についてお尋ねをいたします。  公立高等学校の佐伯区への新設については,昭和60年6月定例会において具体的な数字を示して,要望なり質問をしたところであります。  当時,第2学区では,公立高等学校は7校で,工業・商業科を入れて,入学定員は2,138名でありました。同年の公立中学校の卒業生は15校で3,197名で,約3分の1に当たる1,059名は,学区内公立高等学校には入学できない状況でありました。この傾向はさらにひどくなり,中学校の生徒は年々増加してまいりました。したがって,県教委は,当面の対策として,昭和61年,昭和62年をずっと続けて五日市高校廿日市高校廿日市西高校,大竹高校などに学級増をして対応してまいったようであります。  しかし,このようなつぎはぎ的対策では生徒増に対応できなくなり,県と市で協議した結果,市立高等学校として佐伯区に新設して,第2学区,第4学区を通学区域とする変則学区として,63年──本年度から450名の生徒を受け入れるということが,荒木市長の英断によって61年に決定され,広島市が約65億円をかけて美鈴が丘高等学校を新設,開校する運びになったところであります。  第2学区では,本年3月に公立中学を卒業する生徒は3,945名であります。公立高校入学定員は,学区制のない工業高校,商業高校や美鈴が丘高校の変則学区まで入れても2,950名で,単純計算をすれば,約1,000名の生徒が依然としてあふれています。現在,佐伯区内では団地造成が急ピッチで進み,完成した団地もあれば,造成中もあり,これから工事に入るものも含めると,8団地で5万1,870人が増加すると言われております。したがって,第2学区の生徒増は,これからも数年間は続くものと思われます。こうした状況を考えれば,第2学区にもう1校,公立高校を新設をしなければならないと思うのであります。  このような状況にもかかわらず,広島県教育委員会は,五日市高校,大竹高校の63年度生徒募集人員を各1学級減少して合計94名の入学定員を削減をしております。これこそ全く実情を無視したやり方で,今回の県教委のとった処置は,断じて納得ができないものであります。市教委として県教委に厳重に抗議をすべきであると思うのであります。一体これまで市教委と県教委はどのような協議をしてこられたのか。生徒が急増するから,本市は65億円をかけ高校を新設し,県は逆に入学定員を削減をする。本来県の責任で設置をしなければならない高等学校を,このような処置をとられることは,全く本末転倒していると思いますが,いかがでございましょうか。教育長にお尋ねをいたします。  次に,市立各学校の修学旅行についてお伺いをいたします。  市教委は,修学旅行実施基準を設けて市立の各学校を指導しておられますが,修学旅行が学校教育の一環として行われるものであり,教育効果を高める上からも当然の措置であろうと思いますが,ただ1点,この基準の中に「航空機を利用する計画はしないこと」ということが規定してありますが,文部省もこのようなことは指導していないし,県教委の修学旅行実施基準にもそのようなことは定めていないようであります。今日のスピード時代に航空機は利用するなというのは,時代にそぐわないのではないかと思いますが,この1行を削除するお考えはありませんか,お伺いをいたします。  今申し上げましたのは,広島市から出かけるときの問題でありますが,本市にも全国から大勢の修学旅行生が平和学習を兼ねて訪れておりますが,せっかく広島に訪れていただいても,平和公園付近には修学旅行生の昼食をとる場所もない状況であります。昼時に訪れた修学旅行生は,そのほとんどがバスの中で食事をとっているようであります。せっかく平和公園の慰霊碑に参拝をしていただき,平和のとうとさを学んでいただくのであります。修学旅行会館か,せめて修学旅行生の食事の場所ぐらいはどこかに設置したらと思いますが,いかがでございましょうか,関係理事者にお尋ねをいたすところであります。  次に,海と島の博覧会と西部商業街区についてお尋ねをいたします。  広島市で博覧会が開催されるのは,昭和33年開催された広島復興博覧会以来,実に31年ぶりだそうであります。英知を結集して何としても成功させねばならないと思います。博覧会開幕まであと495日となってまいりました。準備に抜かりはないと存じます。  この会期中の有料入場者を330万人と目標に定めておられるようでありますが,御承知のように,昭和64年には,明治22年市町村制が施行されて100年を迎えるということもあって,全国的にも博覧会がメジロ押しであります。これに肩を並べて人気を獲得することは容易なことではないと思いますが,どのような方法で事前PRをし,どのような方法で前売券を発売し,何枚ぐらいを前売券で発売を予定をされているのか,まず第1点としてお伺いをいたします。  次に,海島博では,中国四川省から恐竜の化石が目玉として出展されるようでありますが,まことに結構なことと思います。広島県は中国四川省と,本市は重慶市と友好都市提携をしております。ペーロンの発祥地である中国から青年をお招きして,市民とともに勇壮なあのペーロン大会などを開催したら,四川省,重慶市との友好もさらに深まるだけでなく,国際色も深まり,PR効果も発揮できるのではないかと思いますが,重慶市の嘉陵江流域では盛んに行われているようでありますが,いかがでございましょう。海島博協会に提案をしてみるお考えはございませんか。  次に,遣唐使船についてお尋ねをいたします。  さきのマスコミによりますと,1,000年以上も昔の遣唐使船を文献により,できるだけ史実に忠実に復元して,海島博のシンボルにするということが報道されておりました。まことによいアイデアであろうと思うわけであります。  ところで,この1億円をかけ復元される遣唐使船費用は,県と市が折半する予定であるとのことでありますが,その本市負担分が今定例会に提案をされておりますが,博覧会終了後はどのような処分がされるのであろうかと気にかかるのであります。ぜひこの遣唐使船を本市で譲り受け,有効に活用できるようにしていただきたいと思いますが,いかがでございましょうか。  次に,海島博と関連のある西部商業街区と動く空中歩道についてお伺いをいたします。  この計画は,本定例会においても一部提案をされておりますが,発注主体である西部開発株式会社に本市が1,000万円出資をして,西部開発株式会社を第三セクターとして国費を活用して空中歩道計画を進めるようであります。まさに,民間活力を利用した国の施策に乗った事業であろうと思います。この種の事業に出資するのは本市として初めてではないか思いますが,出資基準というものはどのようになっているのかお伺いをいたします。  また,動く空中歩道は,海島博がオープンをする昭和64年7月には完成を目指しているようでありますが,市が進めている西部商業街区は海島博までにどのぐらいができるのか,今後どのようなスケジュールになるのか,明らかにしていただきたいと思います。  次に,植物公園の交通対策についてお尋ねをいたします。  現在では,植物公園に行こうと思えば,県道五日市筒賀線から植物公園取りつけ道路である専用道を通って入園するように道路標識が立てられております。植物公園周辺の市道が未整備の現状ではその方法しかないと思います。  過去3年間の入園者を調べてみますと,昭和58年が27万8,569人,59年が27万7,201人,60年が26万1,694人とほぼ横ばいで,この3年間の月平均は約2万3,000人程度であります。これも,ほとんどが土曜日,日曜日,祝祭日に自家用車で来園されているようであります。  このため 県道五日市筒賀線の植物公園取りつけ道路付近4キロぐらいは慢性的な交通渋滞を招き,地元商店街は交通混雑で大変困っておられます。  平素からそのような状況にもかかわらず,昨年は世界蘭会議,世界蘭展が開催されました。このとき,入園者は約11万8,000人であります。前年同期に比べると,実に約10倍の入園者で,入園料も約2,000万円アップしたとのことでありました。  世界蘭展は,長い期間,熱心に広報活動をしたこともあって,入園者数から見れば,世界蘭展は大成功で終わったと思います。このとき,多い日には1日約1万5,500人が入園をしておられます。  しかし,この蘭展が植物公園周辺に及ぼした混雑ははかり知れないものがあります。この期間中は,西広島バイパス県道筒賀線など,周辺2キロぐらいは全く車両が動かなくなりました。これは,ひとえに植物公園側受け入れ体制がないのに,過大なPRをしたためであろうと思います。  現在の植物公園には,駐車場が地下1階,地上3階のもので,駐車台数は,普通自動車が405台,バスが20台であります。連日1万人前後の人が自家用車で訪れれば,当然駐車場は満車となり,植物公園周辺道路は何千台という車があふれて,周辺の道路を麻痺状態にしておりました。  当時,地元商店街地元町内会では,このようなイベントを組むのなら,受け入れ体制を十分に整えてからやってほしいと厳重に申し入れたところであります。植物公園の職員が,当時,洋ランの鉢を持って周辺の商店街,町内会を1軒1軒おわびをして回っておられました。その後,植物公園及び付近の何らの改善対策のないまま,また,本年3月,世界蘭展記念洋ラン特別展を企画されているようであります。これにまた何万人という人が訪れるであろうと思います。そうすると,また昨年と同じような混乱が起こることが予測をされます。  現状では,このようなイベントを組むときは,自家用車での入園は無理であると思います。定期バスなど大量輸送を考え,駐車場も別途確保すべきであると思います。したがって,PRに当たっては,バスまたは自転車,徒歩などで来園されるよう呼びかけるべきであると思います。今回の洋ラン特別展はどのような対策を講じておられるのか,この期問にどのぐらいの入園者を見込んでおられるのかお伺いいたします。  これらの混雑を根本的に解決するためには,都市計画街路寿老地中地線の早期整備と西広島バイパス波出石交差点から寺田までの都市計画街路畑口寺田線の早期整備をして,多方面から入園できるようにすれば,交通事情はよくなるのではないかと思います。  また,現在の405台の駐車場は余りにも少ないので,これを拡大すると同時に,バス会社とタイアップして,バス利用の入園者の増加を図ることを考えるべきだと思いますが,いかがでございましょうか,お尋ねをいたします。  次に,広島市中央卸売市場水産部門についてお尋ねをいたします。  新しく船出をした中央卸売市場水産部門は,産地集荷業者から荷を受ける卸売業者2社と仲卸業者35社と売買参加者,略称買参人約1,000人のこの3団体が運営主体で,市長の許可承認を受け,それぞれ役割を担って市民の台所を賄っているところであります。  この市場内には県道が通っております。本来,市場内には入場許可証のない者は,市場の秩序と安全を保つ上から入場できないことになっているはずなのに,県道であるということから,許可証がなくても道路を通るなということがなかなかできにくい状況のようであります。この道路を通れば,自由に市場に入れる状況のようでありますが,県と協議をして何とかよい知恵を出すべきだと思いますが,いかがでございましょうか。  第2点目として,本来,仲卸業者は小売業をしてはならないことに規定をされているようでありますが,先ほど申し上げましたように,市場内に県道が通っており,自由に出入りできるということもあってか,市場内で現金で小売りをしておる者もいるやに聞いております。このようなことが続けば,市場内の秩序を乱すだけでなく,市場の安定にも影響が出るのではないかと思いますが,いかがでございましょうか。  次に,買い出し人制度の導入についてお伺いをいたします。  昨年末の新聞に,中央卸売市場水産部門に新しく買い出し人制度を導入するということが報道されておりました。この導入のメリットとして,一つとして,場外からのモグリ入場者を規制でき,市場の秩序が保てると言っておられます。2点目として 各部門の業者の意識が高まり 市場の近代化が進む。3点目として,仲卸業者の販売相手が広まり,市場が活性化をするというような利点を挙げておられます。  しかし,1項目の場外からのモグリ業者が規制できるというのは,県道が市場内を通っている以上,規制の方法がないのではないかと思われます。市場内では現金売買はしないと定められているとおり,売買では必ず精算会社を通すということを守ることが大切であると思います。これには,仲卸業者のモラルによるところが多いのではないかと思います。また,本市では,買参人の人が約1,000人もおられるのに,さらに買い受け人制度を導入すれば,混乱こそすれ市場の安定にはならないのではないかとも思われます。  ちなみに,札幌市では,150万都市でありながら,買参人,買い出し人を合わせて,約700人とのことであります。本市ではどのぐらいの人数を目標に買い出し人制度を認めていくお考えなのか,お伺いをいたします。  次に,新交通システムの導入についてお尋ねをいたします。  先般,16の駅位置が決定され,市民待望の新交通が現実なものとして動き出したようであります。当初からの計画どおり,昭和68年度には完成をさし,試運転も行い,第12回アジア競技大会が開催される昭和69年度には供用開始をすることで準備が着々と進められているようであります。関係者の御心労も大変なものであろうことは,私どもにも容易に推測ができるのであります。  これまでの市当局の対応を見ておりますと,最初の計画発表は,紙屋町から高取まで延長11.8キロ,所要時間26分,車両基地は旧牛田浄水場跡地で,所要費用は昭和60年価格で890億円,利用者数は昭和70年で6万6,700人で進めると言って計画発表をされました。  ところが,突如として,一昨年長楽寺まで約700メートル延伸さすと計画変更を発表をされました。このとき,変更理由を尋ねると,車両基地と関連公園をつくるのに,長楽寺地区にお願いをすることが最もよいと答弁をしておられます。なら,総工事費や利用客に変動はないのかと尋ねますと,工事価格には変動ありません。利用客については,1日当たり1,400人程度増加をし,1日当たり利用者は6万8,100人となりますというような答弁でありました。  ところが,昨年また本通まで約200メーター南に延伸すると再度計画変更を発表されました。そして,建設費用は62年度価格で920億,総延長12.7キロ,所要時間27分,利用者は,昭和70年で1日当たり6万7,700人,経営収支は単年度黒字が7年,累積黒字が16年との説明を受けました。利用客は逆に400人減少することになっております。  ところが,最近の新聞報道によりますと,荒木市長は,69年に開かれる第12回アジア競技大会広島大会のメーン会場となる広島広域公園入口まで,長楽寺からさらに6キロ延伸をしたい,アジア大会を成功さすためには,新交通システムが不可欠と,延伸への意欲を示しておられました。  これまで市議会や建設委員会で再三多くの議員から新交通システムの延伸について意見が出されておりましたことは,御承知のとおりであります。その都度,理事者は,経営の見通しが立たない,広島都市圏総合交通体系調査をして,この調査の中で新交通,地下鉄の延伸については検討をしていくと答弁を繰り返しておられました。  しかし,この新交通システムを導入するに当たって,何の調査もしないで計画したものではなく,過去,モノレール調査もしているし,広島都市圏総合交通体系調査もしてあるはずであります。  これまでのように小刻みな延伸発表ではなく,全体の計画を策定をして,そのうち緊急度の高い第1期工事を本通から長楽寺までとか,第2期工事を西部丘陵都市まで延伸さすとか,あるいは次には,五日市の中央部を経て五日市沖埋立地を通り,西区商工センター,さらには広島空港,宇品港を結び,本通に戻るというような環状線計画の中で,緊急度の高い部分から着工していくということになれば,全市民的な公共交通対策となると思います。そのような計画になれば,市民の足として利便を供するだけでなく,市の活性化にも大きな役割を果たすと思います。また,市民にも夢と希望を与えるのではないかと思います。  そして,時代とともにこの計画の変更をすることはあると思いますが,現在の広島市のように,小刻みな計画発表では,新交通よどこへ行くという感じがするのであります。一日も早く根幹となる路線の計画を樹立すべきであると思いますが,いかがでございましょうか。  次に,西部丘陵都市についてお尋ねをいたします。  西部丘陵都市建設は,広島市が21世紀に向かって飛躍発展するための重要な役割を担う都市づくりであることは,御承知のとおりであります。  市長部局は,これに対処するため,新しく開発局の設置を今定例議会に提案しておられ,その取り組みの姿勢がうかがえるのであります。  また,予算面においても,開発計画の策定や交通施設整備計画の策定,あるいは高度情報通信基盤整備基本構想の策定等,西部丘陵都市構想の推進に必要な予算が計上されております。  また,砂防河川梶毛川を2級河川に格上げして,多目的なダムの建設計画等,丘陵都市区域内3,800ヘクタールにおいては着実に進みつつあるように思います。中央部を流れる石内川も,丘陵都市区域内においては,改修工事が急ピッチで進んでいくようでありますが,石内川の下流,利松,八幡東地区においては,西部丘陵都市構想区域外ということで,河川改修はしないということでありますが,幾ら西部丘陵都市区域内の河川を改修をしても,下流の河川が上流の河川より幅員断面が少ないようでは,大雨のときなどスムーズに流れるはずがないと思うのであります。ましてや石内地区の平地部の耕地は,雨が降ったときなど,調整池の役目を持っておりますが,それが都市センター等整備構想で宅地化されれば,石内川下流の利松,八幡東地区は大雨のときなど,はんらんすることは必定であります。西部丘陵都市内を河川改修している幅員断面に見合う幅員断面で下流の石内川を全面見直しをすべきであると思いますが,いかがでございましょうか。  また,祇園新道の部分開通が本年3月23日から行われるようでありますが,中国地建,県警交通部の予測では,216常盤橋大芝線の開通と現在使用している太田川右岸の道路を現状のまま使用を続けることが前提条件である。この二つの前提が崩れたら祇園新道の一部開通のメリットは期待できないと言っておられるようであります。私も,そのように思います。  先ほどの石内川と同じように,中を整備をして出口をそのままにしておいたのでは,せっかくの投資が効果が上がらないのは当然であろうと思うのであります。膨大な投資をしてつくられた祇園新道であります。有効に生かすために早急に関連道路の整備が不可欠であります。どのように対処されるのか,関係理事者の答弁を求めるものであります。  次に,広島港五日市地区港湾整備事業についてお尋ねをいたします。  この事業は,広島県施行事業として,昭和56年計画が立てられ,埋立総面積154ヘクタール,総事業費1,260億円,うち本市負担分が420億円ということで,昨年7月に起工式が行われ,都市再開発用地が昭和67年に概成し,廃棄物による埋立事業を行いながらの港湾整備事業は,昭和71年の完成を目標で進められているようであります。現在に至っても,この埋立地と背後地とを接続する南北の道路及び旧五日市漁港の埋立計画が明らかにされないようでありますが,どのような理由なのかお伺いをいたします。  この港湾整備事業を見ておりますと,本市は余り意見を言っていないのではないかとも思えます。金は出すが口は出さないというのではないと思いますので,積極的に意見を言っていただきたいというふうに思うわけであります。  最後になりましたが,現在の広島空港につきまして,一言所見を申し上げたいと思います。  去る2月16日の中国新聞の2面に,「広島空港 廃止決定に変更なし」と,大きく4段抜き見出しで取り上げられていたことであります。昭和68年12月の新広島空港開港に伴って廃止するという運輸省の決定に変更はなく,存続問題は検討してないという見解を示しましたと記述し,さらに続けて,新空港の開港に伴って廃止することは,既に同省の決定事項で,広島県も承知をしている,また,広島県など地元から改めて存続の要望が出ておらず,廃止決定を再検討する状況にはないと結ばれておりました。市長を初め,御一同の皆さんも読まれたことと思います。  確かに,現空港は,国の第2種空港でありましょうが,私ども広島市民にとってはかけがえのない空の玄関であります。記事の内容から考えますと,広島市の意向を聞きただしたことにはなっていませんが,「広島県など地元から改めて存続の要望は出ておらず」の「など地元から」の活字をどのように続むべきであろうかと考えさせられたのであります。  地元経済界を初め多くの市民の声として,現空港は交通の便もいいし,都心に近いという利便性から存続をすべきであるという生の声を私どもはたびたび聞かされておるのであります。将来にわたって,広島市の都市機能としての現空港の価値を考えると,心ある多くの広島市民の感情を察知いたしますときに,まさに時が来たぞと強く大きく申し上げたいのであります。  しかし,国や県,関係機関や周辺地元など諸般の情勢をせんさくすることなく,軽々に行動を起こしたり,発言することは問題がありましょう。したがって,これらの手続を経ない今,荒木市長の答弁を求めようとは思いませんが,情報を収集し,英知を結集して,広島市が将来にわたって限りなく発展を続けるために,今,空港問題について何をなすべきかを考えなければならないと思います。  私は,今,改めて殊さらこの本会議場において,あの報道された運輸省の見解に対して,絶対に肯定をしないことを声を大にして申し上げますとともに,空港問題について改めて御検討いただくことをお願いをいたしまして発言を終わらせていただきます。  以上で総括質問を終わります。御清聴大変ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの藤田議員の御質問の中で新年度予算と,それから,海と島の博覧会について御答弁申し上げたいと思います。  まず,新年度予算についてでございますが,御案内のように,本市の財政構造というのは,公債費比率等の財政指標で見ると,全体的には健全性を保っておりますが,近年の市債を活用しての積極的な財政運営によりまして,市債依存度が高まってまいり,また,公債費が増加してきている状況にあります。  このため,地方債については,その元利償還金が将来の財政構造を硬直化させる要因ともなるので,財政の健全性には十分留意しながら,その活用をしてまいりたいと考えております。  昭和63年度予算の編成に当たりましては,本市を取り巻く財政環境は,市税収入の伸びがほとんど期待できす,また,国庫補助負担率の引き下げ措置が継続されるなど,依然として非常に厳しい状況であります。  しかしながら,本市といたしましては,21世紀に向けての新しい時代への潮流に的確に対応しながら,100万都市広島を国土の主軸を担う大都市として築いていく必要があります。  こうした都市づくりの目標に向けて,昭和63年度の当初予算においても,これまでと同様,積極的な予算編成を行ったところであります。  御指摘のように,福岡,北九州市,川崎市等,類似都市と比較した場合,総予算規模では小さいという形になっておりますが,これは,本市には企業会計の公営交通事業あるいは特別会計の港湾整備事業がないこと等によるものでございまして,予算の中心をなす一般会計の規模におきましては,福岡市に次ぐ大きさとなっているところであります。  特に,都市基盤整備などを主体とした普通建設事業については,本市は,福岡市をも上回る事業費を計上しておるところでありまして,今後ともこのような積極的な財政運営に努める方針でありますが,現下の厳しい財政環境では,これに必要な財源はまことに乏しい状況が続くものと考えざるを得ないところであります。  このため,事務事業の見直し,定員の抑制など,行財政運営の改善,効率化に一層の努力を払う一方,財源の拡充強化を図ることが何よりも重要であると考えております。  したがって,税源の涵養を図るとともに,使用料・手数料等の自主財源,国庫補助金等の特定財源を積極的に確保することはもとより,NTT資金の無利子貸付金や償還財源に対する手当てのある地方債を重点的に取り入れる等の工夫を凝らしながら,あらゆる財源の確保に努め,都市基盤の整備を初めとする都市づくりの目標達成に向けて,今後とも引き続き積極的な財政運営を行ってまいる所存でございます。  次に,'89海と島の博覧会・ひろしまについてでございます。  その中で博覧会を成功させるため,観客動員をどのように図っていくのか,それから,博覧会終了後の遣唐使船を市で譲り受け,有効活用してはどうか,こういう御質問だったと思うわけでございますが,御案内のように昭和64年に行う'89海と島の博覧会・ひろしまについては,21世紀に向けて瀬戸内海地域の将来像を展望しながら,地域の活性化を図ることを目的に開催するものでありまして,現在,'89海と島の博覧会協会において,鋭意開催準備を進めているところであります。  課題であった民間パビリオンの出展については,目標数を確保できる見通しがつきました。今後3月にはメーン会場の造成工事に着手するとともに,この7月には前売り入場券の販売を開始することといたしております。  全国各地で多数の博覧会が開催される中,博覧会を成功させるためには,観客動員の確保が最大の課題であると考えております。  観客動員を確保していくためには,魅力ある博覧会を開催することはもちろんでございますが,効果的な広報・宣伝活動の展開や前売り入場券販売体制の確立を図るとともに,博覧会の側面的な支援として,学術会議や各種市民団体の全国大会,中四国ブロック大会などを広島市で開催するようなことも働きかけていく必要があると考えております。  次に,県・市共同で出展する自治体館の中心展示場である遣唐使船については,御承知のとおり,奈良時代から平安時代にかけて,中国大陸から文化を取り入れるため日本から派遣した使者を運んだ船であり,その多くは当時,高度な造船技術を持っていた安芸の国でつくられたと言われておるところであります。  この遣唐使船は,瀬戸内海を活用した技術や文化の交流の歴史を,さらには,瀬戸内海によって発展してきた広島の歴史を象徴するものであり,博覧会終了後,比治山に建設する予定の博物館等に保存し,市民に公開していきたいと考えております。
    ○議長(柳坪進君) 椎名助役。 ◎助役(椎名彪君) 御質問にありました新交通に関連する問題につきまして,お答え申し上げます。  御質問の中では,新交通システムの計画の経緯と将来の計画という点についてだったと思いますが,この広島新交通システムにつきましては,この広島都市圏の中におきましても,特に,その交通渋滞の著しい安川流域の抜本的な交通対策ということで,御指摘がありましたように,紙屋町から安佐南区の高取までの11.8キロを計画していたものでございます。この当初計画に基づきまして,関係省庁といろいろ協議をいたしまして,さらに,運行面,あるいは技術面等の詳細の検討を進めていたわけでございます。  その中におきまして,車両基地につきましては,この全体の適正な機能──適正な施設の配置でありますとか,効率的な列車の運行,経済性といったような点から,最終的に長楽寺が適切であるということで決めさしていただいたわけでございまして,また,この車両基地との関連から,地元からの延伸要望などもございまして,高取から長楽寺までを延伸するということにしたわけでございます。  また,都心部の約200メーターの延伸につきましては,紙屋町交差点の交通処理が課題になっているわけでありますけれども 一方におきまして,第三セクターへの地下鉄の補助制度といったようなものが,運輸省の方で62年5月に創設されるということになりまして,こういった制度を活用して,さらに,その交差点付近の人の,あるいは車の集中の緩和と,あるいはまた,利用者の利便性の一層の向上と,また,地域の活性化というようなことを総合的に判断いたしまして,本通までの延伸をすることになったわけでございまして,最終的に本通から長楽寺までの12.7キロ,16駅ということになったものでございます。  また,根幹的な路線計画の策定をという御指摘についてでございますけれども,この軌道系の交通機関の整備につきましては,非常に巨額の初期投資を必要といたします。  さらにまた,交通事業として採算性の見通しが立つということが,現在のこの何といいますか,そういう考え方のもとで運用するということになっているわけでございます。  さらにまた,既存の交通機関との適正な機能分担も図りながら進めなければならないということになっておりまして,慎重に計画すべきものであるというふうに考えておるわけでございます。  しかしながら,将来の構想という点につきまして,これにも積極的に取り組まなければならないわけでございますけれども,本年度から64年度までの3カ年で,中国地建,広島県及び広島市の3者によりまして,広島都市圏総合交通体系調査を実施することにしているわけでございますが,この62年度には,この都市圏の人の動きの実態を把握する調査に今着手したところでございまして,引き続きこの64年度までには,将来の土地利用でありますとか,交通需要予測といったようなことを行う予定でございます。  したがいまして,これらの調査結果を踏まえまして,既存の交通機関との機能分担,採算性等の観点から,将来の交通体系のあり方について十分検討してまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 ○議長(柳坪進君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 博覧会関連の御質問のうち,事前PR,あるいは販売前売り券の絡み,それから,もう一つ,重慶市のペーロン競走を招致してはどうかという御質問にお答えいたします。  まず,広報・宣伝活動についてでございますが,これにつきましては,これまでにシンボルマークやポスターあるいはマスコットキャラクターの作成,電光残日時計の設置,広島駅等への看板の設置などを行い,機運の醸成を図ってきたところでございます。  今後,本年の7月に前売り入場券の販売開始を行いますけれども,それに向けまして,ミス博覧会の選定,テーマソングの作成などを行い,全国的なキャンペーン活動を展開していくとともに,マスコミや県・市の広報媒体等による広報宣伝活動を積極的に行うことにいたしております。  また,前売り入場券の販売につきましては,本年1月に博覧会協会に入場券販売管理本部を設置いたしまして,現在,販売代理店の選定や前売り入場券販売方法の検討を行っているところでございます。  目標は,目標入場者数の約70%に当たります210万枚を前売りで売りたいということを見込んでおりまして,今後,県・市といたしましても,前売り券の販売につきまして,全面的にバックアップしてまいりたいと,このように考えております。  次に,海と島の博覧会のイベントとして,重慶市からペーロン競走を招致してはどうかとの御提案でございますけども,ペーロン競走を行うに当たりましては,河川または港などで,ある程度の直線コースが設定できる場所が必要でございまして,今後,博覧会協会におきまして,実施場所,選手の招待,船艇の輸送等の経費負担などの問題につきまして,十分に検討した上で実施するかどうかの結論を出してまいるということになろうと思いますので御理解をいただきたいと思います。 ○議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(和泉禎一君) 初めに西部商業街区の整備手順についての御質問にお答え申します。  西部商業街区整備計画につきましては,地元中小小売商業者への影響が考えられますことから,現在,計画地の周辺の商店街等の団体に対しまして,精力的に地元説明会を実施しまして,地元からの要望や意見に可能な限り対応するよう最大限の努力を行っているところでございます。  今後の手順につきましては,大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に開する法律と,こういう法律がございますが,この法律に基づく手続に入りまして,この法律に従いまして,商業活動調整協議会におきまして,店舗面積,開店日,休業日数あるいは閉店時刻等の調整を受けまして,建築着工の運びとなる手順でございます。  それから,中央卸売市場に関する御質問のうち,まず,入場規制についてでございます。  中央市場への入場に当たっては,市場の秩序保持のため,現在,入場証により入場規制を行っているところでございます。  しかしながら,市場にはお話しございましたように,現在6カ所の門がありまして,このうち3カ所の門は,県が管理する漁港道路上に設置されております。このため,この3カ所の門につきましては,入場規制ができませんので,県に対して閉門するよう再三要望をしてきたところでございます。  その結果,昭和60年に至りまして,市場内への暴走族の入場や交通事故の防止を図る目的で警備員ボックスの設置が認められまして,ある程度の部外者の入場規制を図ることはできましたけれども,今後は,完全な規制ができるよう,さらに,県と十分協議を進め,対応してまいりたい,このように考えております。  次に,買い出し人登録制度についての御質問でございますが,買い出し人登録制度は,買い出し人に登録されますと,卸売業者の行う競り取引には参加できませんけども,市場内の仲卸店舗で直接物品を買い受けることが可能となるものでございまして,既存の売買参加者に悪影響を及ぼさない範囲内で業務用等の需要者の要望にこたえ,市場の活性化を図ろうとするものでございます。  全国45都市中25都市の中央卸売市場で既に実施されているものでございます。  本市の買い出し人登録につきましては,水産物部が中央卸売市場に移転入場する際に,水産物取引小委員会で入場後3年を経過した時点において,この買い出し人登録制度を実施することの合意がなされていたものでございまして,これを受けまして,3年を経過しました昨年10月に買い出し人登録制度準備委員会,これは,卸売業者2名,仲卸業者4名,売買参加者6名,そして,市側1名をもって構成しておりますけれども,この委員会を設置し,種々協議を行ってきた結果,12月15日の委員会におきまして,実施することについては合意を見たものでございます。  しかし,現在,登録制度の発足に向けまして,登録資格の基準,代金決済の方法,保証金の額等について協議を重ねているところでございまして,まだ多少の時間が必要であろうと思いますけども,できるだけ早い機会に実施できるよう努めているところでございます。  なお,現在,承認済みの売買参加者は989名でございまして,常時,売買に参加されている方は,おおむね400人程度であろうかと思います。買い出し人に登録される人員は,これは,おおむね100人程度になるのではないかと,今のところでは予測しているところでございます。  以上でございます。 ○議長(柳坪進君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 教育問題の中で,平和記念公園内を訪れる修学旅行生についての御質問がございましたのでお答え申し上げます。  現在,平和記念公園には,年間約3,600団体,およそ56万人強の修学旅行生が訪れております。これらの修学旅行生は,天気のよい日には広場やベンチなどを利用して昼食をとっておりますけれども,雨天の際にはバスの中で食事をしておるのが現状でございます。  御指摘の平和公園に食事ができる施設の建設をしてはどうかということでございますけれども,都市公園法上,建ぺい率の関係がございまして,困難でございます。  ちなみに,平和記念公園周辺の本川・大手町・舟入地区などで,1カ所150人から,大きいもの550人程度で,合わせて1,700人受け入れ可能な民間施設がございまして,これを修学旅行生なども適宜利用いたしておるところでございます。  次に,蘭展についてのお尋ねにお答え申し上げます。  御指摘のとおり,昨年の世界蘭展は大変好評を得たところでございまして,本年も引き続きラン展の開催について多くの市民から要望がございました。  このため,今年3月19日から3月31日までの12日間,洋ラン特別展を開催することとしておりますけれども,現在のところ,規模などから考えまして,入園者はおおむね5万人を想定いたしております。  この期間の交通対策につきましては,できるだけ公共交通機関を利用していただくよう,新聞,ポスターなどで,より強く呼びかけるとともに,付近の空地を借りて仮設の駐車場を設置することも考えております。  また,御要望のございました植物公園の駐車場の増設についてでございますが,昭和63年度に植物公園の施設全体の見直しをいたすこととしておりますので,あわせて検討をさしていただきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 項目が多岐にわたっておりますので,要点の答弁をさしていただきたいと思います。  まず,西部商業街区にかかわります空中歩廊の出資のことでございますけれども,この空中歩廊を早期にかつ安価に建設するためには,国が60年度から創設いたしましたNTTの株の売り払い収入によります無利子貸付金制度といったものを適用いたしまして,民間活力を導入し,それからまた,これによって施行すると,この開発主体が施行するわけでございますが,といったことが最も適切な手段であろうというふうに考えておるわけでございます。  この無利子貸付金制度につきましては,この貸付対象が,地方公共団体が出資をいたします第三セクター等であるといったことが適用の必要な条件になっております。  したがいまして,今回の出資につきましては,この条件を満足させるために行うものでございまして,この開発主体のこの出資額につきましては,その出資目的に照らしまして,開発主体が,この空中歩廊を建設するために投下する資本,また,及び開発主体に出資しております各会社の出資割合といったものを勘案いたしまして,1,000万円として決めまして,今度の議会の方へ提案さしていただいておるものでございます。  それから,植物公園に関連いたします周辺道路の整備でございますけども,まず一つは,都市計画街路の寿老地中地線でございます。  これのうち,倉重団地内から県道五日市筒賀線までの間の区問の730メートルでございますが,これは,昭和63年度に完成の予定でございます。また,県道五日市筒賀線から五日市石内線までの区間の550メートルにつきましては,昭和61年度から事業に着手しておりまして,昭和68年度には完成をといったことを目指しまして,現在,用地買収に取り組んでおるところでございます。それからまた,この都市計画街路の畑口寺田線でございますけれども,これの西広島バイパスから植物園の入り口までの間につきましては,現道を幅員16ないし18メートルに拡幅することでの都市計画決定をしておるものでございまして,この道路の整備につきましては,他の道路等の整備状況を勘案いたしまして,事業化を検討していくといったふうな考え方をしておりますけれども,御指摘の区間につきましては,慢性的な交通状況に照らしまして,西広島バイパスとの交差点付近の改良につきまして,63年度から検討に入りたいというふうに考えております。  それから,西部丘陵都市関係で石内川の改修のことでございますけども,この石内川下流部の利松・八幡東地区につきましては,昭和50年度におきまして,広島県におきまして,30年に1回の確率で起こります洪水に対応できる断面といったことで改修を既に終えているものでございます。  それから,今,現在,工事を進めております石内川の上流につきましては,昭和66年度を完成の目標にいたしまして,同じように30年の確率での河川断面で改修を行っておるものでございまして,内容といたしましては,上下流の整合は一応とれておるといった状況でございます。  また,さらに,今後この西部丘陵都市の建設に向けましては,梶毛川上流にダムを建設することによりまして,石内川の安全度を50年に1回の洪水に対応できるといったことに確率を高めるといったことにしておるものでございます。  それから,やはり西部丘陵都市の関連で交通問題の中で祇園新道の暫定供用の関係でございますけども,この祇園新道は,緑井から紙屋町までの8.5キロメートルの道路でございまして,全体は,昭和68年度を完成目標といったことで進めておるわけでございますけども,この3月の23日に暫定供用するといったことになっておるものでございまして,これに伴います都心側の受け入れといたしましては,現道を最大限に生かして交通分散が図れるようにといったことでやっておるわけでございまして,今,白島交差点,外4カ所の改良を行っておるところでございます。  また,常盤橋大芝線の区線につきましても促進を図っておるといったことでございますが,その十分な対応になるかどうかわかりませんけれども,この供用開始後におきましても,交通の状況を十分勘案しながら,いろいろ関係機関とも協議をして円滑化を図っていきたいというふうに考えております。  それから,今度,五日市埋立事業でございますけれども,これの五日市漁港の奥部の埋立計画等についてでございますけれども,この五日市地区の港湾整備事業は,62年の7月に起工いたしまして,現在,廃棄物埋立護岸の地盤改良などの本格的な工事に入っておるところでございます。  御指摘の旧五日市漁港の埋め立てにつきましては,吉見園沖埋立地と国道2号線を連絡いたします臨港道路が計画されておりますほか,東西軸でございます都市計画道路と,それからまた,排水ポンプ場といったものも計画はされておるわけでございます。  この施行時期につきましては,その都市再開発用地の昭和67年度概成といったことでございますので,これの概成に台わせまして,県・市協力して整備をしていくという方針でございます。  今後ともこの港湾整備につきましては,県・市協議をして進めることといたしておりまして,さきの知事,市長の首脳会談の中でも,これからの進め方につきましての確認をしておるところでございます。  以上でございます。 ○議長(柳坪進君) 教育長。 ◎教育長(宮永聰夫君) 高校進学者の受け入れ先について,県との協議でございますけれども,私ども市域に関係します各学区につきまして,過去数年間の実績を細かに分析いたしまして,その分析をもとにして,次年度以降について,短期的,中期的な推計を行って,これをもって県に強く申し入れを行ってきているところでございますけれども,遺憾ながら,県として十全な措置がなされてきたとは言えないように思っております。  お尋ねをいただきました趣旨を十分踏まえまして,市域における厳しい実情に立って,公立,私立を含めた万全な受け入れ対策をさらに強く県に求めてまいりたいと考えております。  それから,修学旅行の航空機利用の件についてでございますが,修学旅行におきます交通手段の面の時代認識につきましては,私どももお説のとおりでございますが,修学旅行は,生徒の全員が参加することによって意義がある行事でございます。  そういうことの上に立って,保護者の経済的負担等,多角的な判断を要する問題であると考えますので,お尋ねの件につきましては,保護者の意見も吸収できるような形で検討いたしたいと考えております。  検討は年度内に始めまして,5月ごろまでには結論を得たいと考えております。  以上でございます。 ○議長(柳坪進君) 10番。 ◆10番(藤田博之君) 1点だけ再質問をいたしますが,石内川の改修の問題ですが,西部丘陵都市の中は,幅員も断面も下流よりか多いんですね。  50年に改修をして30年に一遍の確率だとおっしゃいますが,下流の方が狭くなっておるんなら,下流と同じようなずうっと断面で上へ行かれりやあええんですね。それが上に行くほど広くなるというような川というのは余り見たことがないように思うんですが……。川というのは,下に行くほど水もよけい流れて大きくなるように思うんです。  それを依然として,あそこは50年に直したんだから,幾ら奥を広げても直さないよというような考え方というのは,1度決めたら,何が何でもこのとおりやり通すというのを石頭と言うんだと思うんですね。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)(笑声)もう少しですね,柔軟に対応してもらいたいと思うんです。  耕地がなくなるんですからね。山林の開発については,確かにダムをつくって調整池をつくることによって私はある程度賄えると思うんです。それが山林につくるダムですから。石内梶毛川というのは,ずうっと奥につくるんですね,ダムを。  ところが,今,石内の流れていくのは,利松・八幡東地区を通って流れるんですが,非常に周囲の人が心配をしておられます。下がこれでいいというんなら,上流をあんなに広くすることはないじゃないですか。幅員も断面もあんなにとることはない。ここに下流がこれでええというのに,上流だけどんどんよくするというのはおかしいと思うんです。どうしてもそれに見合った幅員断面で改修をしていく必要があるんじゃないかと…。(「水が逆に流れる」と呼ぶ者あり)逆には流れぬですよ,向こうの方が高うなってるんですから。(笑声)  ぜひ,そのことをですね,御検討をいただいて,また,今度お尋ねをしたときには,同じようなことは言わぬように,ひとつ検討しておいてください。  以上で終わります。 ○議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 私の御答弁が適切でなかったかもわかりませんけれども,現在,昭和50年度までに整備をいたしました利松・八幡東地区につきましては,30年に1回の確率に対する整備を既に終えておるわけでございまして,今やっておりますそれから今度上流でございますが,これにつきましても,同じ確率の断面で施行を今現在やっておるといったことでございます。  それで,なおかつ,この石内川全体の安全度を高めるために,上流に梶毛川のダムをつくりまして,50年に1回の洪水に対応する安全度にしようと,こういうことでございまして,石内川全体の洪水に対する安全度と申しますが,それは,上・下流を通じまして,ダムができ上がりますと,50年に1回の洪水に対応できるものになると,こういうことでございますので,一応整合はとれておるところでございますけども,確かにおっしゃるように,利松・八幡地区につきましては,これは平地でございますし,それから先,これから上流開発といったこともございましたりしますので,これらにつきましては,県の管理の河川でございますけども,私どもも十分その辺のことも承知をして,協議をしていきたいと思っております。  以上でございます。 ○議長(柳坪進君) 続いて,6番平野博昭君。           〔6番平野博昭君登壇〕(拍手) ◆6番(平野博昭君) 政友クラブを代表して一般質問をいたします。  市長を初め理事者各位の適切かつ誠意ある御答弁をお願いいたします。  初めに,市長の政治姿勢についてでございます。  荒木市長が4選されて,既に1年がたちます。広島市は,恒久の平和を誠実に実現しようとの基礎理念のもとでまちづくりを進めております。世界平和に貢献する水と緑と文化のまちの創造に向けて全力を傾注されていることには,敬意を表するものであります。  62年度も最終補正で普通会計3,742億円のうち土木費1,167億円,全予算対比31.2%,また63年度当初予算案において,普通会計3,816億円,そのうち土木費1,188億円,率にして31.1%と,暦年30%以上を計上されておりますが,財源的にも市債459億円,基金も70億円を取り崩すなど捻出に苦慮しておりますが,都市基盤の整備がおくれている現在,道路,下水道等の重点的かつ積極的な整備姿勢を高く評価するものではありますが,市長の公約やその後の状況変化と政治課題が山積みしている現在を──現実を踏まえて質問いたします。  まず,山田市長時代に作成された広島市総合計画において,本市の都市像は,国際平和文化都市と中枢管理機能都市との二つの柱を立てて,広島市の発展施策目標として市政を逐行されました。  荒木市長の昭和53年編集の広島市新基本計画においては,国際平和文化都市像の表現はありますが,中枢管理機能都市の項は欠落しております。  広島市が今後発展していく中での都市像としての一部が欠落していることについて疑問を持つものであり,まず,このことに対してお尋ねいたします。  次に,中四国地方は,児島─坂出ルートの開通も目前となり,この供用開始に熱い視線が注がれております。  なかんずく,岡山は,山陰,四国地方と東京,大阪,そして九州とを結ぶ地域として広島に追いつけ,追い越せと,その意気込みはすさまじいものがあります。広島と四国,山陰地方との連携,発展施策はどのように計画され,遂行されようとしているのか,お尋ねいたします。  ただ,中四国地方における中核都市よとほうっておいても,従前からの因縁により広島志向は変わらないと慢然として施策を怠れば,悔いを後世に残すことは火を見るより明らかであり,現実として中枢管理機能都市としての計画が欠落され,その結果が隣県の岡山市におくれを来さざるを得ない状態となりつつあるのではないかと懸念するものであり,また広島県の尾道─今治ルート,開通が現実,実現しても,中四国の動脈ルートの拠点は尾道市であり,広島市ではないということも熟慮せねばなりません。  今,国の施策として多極分散が唱えられ,中央機関の一部の地方分散が検討されており,広島県と東広島市は国税庁の醸造試験場誘致をいち早く打ち出し,折衝中のようでありますが,本市は何に名のりを上げようとしておられますが,具体策があるかどうか,中小企業大学校広島校の設置と国際開発大学の誘致運動だけで事足れりとされているのではないでしょうか。  また,21世紀に向けてのまちづくりの中で,よく多心型都市構想なる字句が見受けられます。多心型都市構想とはいかなるものか理解しがたいものがあり,これを広島市において見るとき,商業区の整備のみが多心型都市の柱であるのか,交通の要路のみがその中心的役割なのか,いささか疑問を持つものであります。  本市は,八つの区域に分かれ,それぞれに区役所を設置しております。各区にはそれぞれの特色があり,計画的に地域の活性化を図りながら都市基盤の整備充実こそ多心型都市づくりの基本ではないかと思われます。  広島市は,今年度総合計画の見直しを進められているとのことでございますが,各区の特色を生かした活力ある,住みやすい区づくりをいかにお考えなのか,具体的にお示しください。  また,本市の行政機構の中で,企画調整局の果たす役割についてお伺いいたします。  政令指定都市においては,それぞれの市で部,局の差はあっても,企画調整機能を有するものは設置してあり,事務分掌を一つずつ見てまいりますと,各都市それぞれの特色があり,これが各都市の事情でもあり,各都市のカラーでもあると思われます。  ここで一例ではありますが,都市形態の類似しております川崎市と比較しながら,我が広島市の企画調整局のあり方の見直し,また強化,機構の改革等の提言をいたし,市長の御所見をお伺いしたいと思います。  川崎市は,人口113万人で,私たちのイメージから言えば,公害都市,ばい煙の街,ギャンブルの都市といった重厚長大型の都市構造の都市でありますが,これが変革を至上の施策として,国際科学文化都市づくりに企画調整局が一丸となり,大規模な都市開発計画を進めております。新しい装置のまちづくり,これは地域を限定した都市再開発計画でなく,川崎駅を中心とする都心地区の都市機能強化,また内陸部のハイテク産業ゾーン化,麻生区・多摩区一帯の情報・文化・研究開発ゾーン化等,川崎市全域にわたる総合都市整備構想を大きく打ち上げております。  一方,我が広島市は,ゾーンごとの都市構想も未定であり,西部丘陵都市構想にしても,人口10万人規模の住み,働き,学び,憩うという複合的な都市機能を備えた総合自立都市の建設とありますが,机上の計画の上では最上のものとしては受けとめられます。
     63年度からは開発局の設置で,64年度の第1期開発事業への着手はできるとは思われますが,この事業は道路ができ,河川改修がなされ,土が動き,平地と緑地ができれば終わりという今までの開発とは根本から異なるものがあります。ハード面での受け皿はでき上がると思われますが,肝心なソフト面での働き,学ぶという面は,着手と同時に基本計画をしっかりと見詰めながら中・長期にわたり企画,調整を繰り返しながら,総合的に各局,各部のコンセンサスをとり,ハード,ソフト両面で並行して走り,お互いに職務機能を十分果たしていくことが,この事業を成功させる源であると思います。  今までの事業例から申しますと,企画は企画,事業は事業として,企画から事業化への移行で企画の手は離れ,事業だけがぎすぎすしながらも,何となく進行していくという状態が多々あるのではないかと思われます。  いま一度,川崎市の例に返りますが,川崎市の企画調整局の設置時の目的は,縦割りの行政の壁を超えた政策の遂行を図るという戦略部門であり,また政策の具現化に向けては,プロジェクト方式でスタッフの能力と適性本位で仕事が割り振られ,企画立案から各局との調整を経て,関係各部局の全面協力を得ながら,現在は川崎駅東口の都市再開発を初め,西口の「かわさきテレトピア」,新川崎駅周辺の「リサーチ・フォーラム・シティー」等々の事業が進行中であります。  産業経済構造も社会構造も,複雑多岐にわたる現在,困難な時代の波を乗り越え,21世紀に向けて広島市の確固たる都市基盤づくりのためにも,縦割りの行政機構にこだわることなく,神戸方式とか,また川崎の例からもうかがえます事業手法とかでなく,世に広島方式と言われるような行政機構なり事業手法を早急に確立し,事業の具現化へ邁進しなくてはならないと思われます。市長の御所見をお伺いいたします。  次に,国際平和文化都市ひろしまとしてのあり方についてお伺いいたします。  広島市は,昭和20年8月6日,人類史上最初の原爆投下を受け,75年も草木も生えないと形容されたほど徹底的に破壊し尽くされた未曾有の惨禍から,国内外の心温かい援助と市民の絶え間ない努力と英知で現在の広島が復興されました。  昭和24年に制定された平和記念都市建設法が,平和都市建設のまちづくりの基本になっており,広島市の都市建設の最高目標となっている国際平和文化都市の最初の柱にも,世界平和を目指すまちづくりとなっております。  平和の推進については,世界平和連帯都市計画の推進や各種の平和国際会議を開催し,世界平和の実現に着実に努力されていることは高く評価しております。  世界平和の推進は,指導的立場の人々による国際会議だけでなく,数多くの市民が外国の方々と交流し,相互理解を深めることが重要であると考えます。  広島市はホノルル,ボルゴグラード,ハノーバー,重慶の四つの姉妹友好都市への提携による交流や広島市国際交流協会の設置により青少年,文化,スポーツ等を中心に市民間の交流も幅広くなっております。  一方,国際化のうねりは大きく,広島市には外国人の居住者数も年ごとに増加しており,特に海外からの留学生が約240名も市内に居住し,勉学に励んでいると聞いております。  そこで,お尋ねしますが,まず,在広外国人留学生と市民の交流について,どのような施策をしておられるのか,お伺いいたします。  次に,去る2月17日の中国新聞に,静岡県が県内の短大,大学,大学院で学ぶ外国人留学生に,静岡を理解するための教材費として1人当たり年額6万円を4月から支給することを決め,昭和63年度当初予算案に900万円を新規に計上し,静岡県の場合,日本政府が生活費などを支給する国費留学生と私費留学生で差をつけると混乱や誤解を招くとして,国費,私費を問わず3万円ずつ2回に分けて支給することにし,2月16日現在,支給対象者が138名となっております。  また,文部省留学生課などによると,留学生の援助は,埼玉県,宮城県,東京都武蔵野市,横浜市,福岡市が円高で仕送りが目減りして苦しむ私費留学生を対象に,月額2万円から5,000円の支給を決めているという報道がなされていますが,国際平和文化都市を唱える広島市としまして,外国人留学生に対する学資援助については,どのように考えておられるのか,お尋ねいたします。  次に,外国との交流について,お伺いいたします。  現在,日本には,外国の交流に公的国際機関として,大使館,総領事館,領事館,名誉領事館等が東京,大阪,神戸等の主要都市には設置されていますが,国際平和文化都市ひろしまにはどのような公的機関があるのかお尋ねいたします。  また,去る2月20日,ドミニカ共和国外務次官ファビオ・エレラ閣下,ドミニカ共和国駐日特命全権大使フルファント・カント閣下御一行が広島市を非公式に訪問され,広島市の職員の案内で原爆慰霊碑に献花参拝され,資料館等を御見学,その悲惨さに驚嘆されておられました。広島市の有志による歓迎レセプションの席で,ドミニカ共和国外務次官ファビオ・エレラ閣下は,平和の原点である広島にぜひとも公的機関を設置して,一層交流を深めたいとの旨,メッセージを残され,帰国の途につかれました。  ちなみに,広島市とドミニカ共和国との交流は,マツダ車が年間500台程度輸出されているくらいですが,一層の交流を希望されており,ぜひともこれが実現を願っておるものであります。市長のお考えをお尋ねいたします。  '89海と島の博覧会・ひろしまについてお尋ねいたします。  地方経済・文化の振興策として,全国的に全く安易に,いろいろなキャッチフレーズのもとで数多くのイベントが各地方自治体で実施され,また,実施されようとしており,広島市もこの時流に乗りおくれてはならじと,来年は,築城400年祭,市制施行100周年記念事業等々,数多くの事業が計画,立案されております。  特に,広島県,広島市共催の'89海と島の博覧会・ひろしまの内容を検討してみましても,目玉になるものや目新しいものがいまひとつ見受けられず,その成功すら危ぶまれるものですが,この点はいかがなものでしょうか。  例えば,'89海と島の博覧会に間に合うよう元安川を中心にして水上バスを運行させようという計画があるようですが,どこが事業主体になるのか,いまひとつ定かでなく,また,水深の問題,橋けたの問題,内水曲の漁業補償の問題,また,プレジャーボートの不法係留の問題等々,いずれをとっても簡単に解決できそうもないと思われます。いかがなものでしょうか。  この博覧会の内容は,テーマ館ごとにいろいろと計画されており,膨大な事業費が計上され,期間中の動員数は330万人と推定されておりますが,メーン会場の動員数はいかほどなのか,また,それによる広島市域への経済的な波及効果はどのくらい見積もっているのか,不確定要素の多いものとは思いますが,お尋ねいたします。  また,博覧会閉会後,施設としては何が市域に残るのかを,あわせてお聞かせください。  次に,衛生行政についてでございます。  本市の来年度予算案では30%強を土木費が占めており,市民が待望しております道路や下水道などの生活基盤整備を重点的に取り組んでいこうとする姿勢は高く評価できるものであり,21世紀を目指した大型プロジェクトであり,アジア大会開催の主会場ともなる西部丘陵都市建設など,積極的に多極分散型のまちづくりを推進されることは喜ばしいことであります。  しかしながら,一方では,こうした大規模な都市づくりは,ともすれば,自然環境の破壊や新たな公害の発生を伴うことが懸念されるところで,自然を守り,生かすまちづくりを目指す上で,このようなことがないよう十分な配慮が必要であると思われます。とりわけ本市は,水と緑と文化のまちづくりを推進しているところであり,都市づくりによって自然環境が無造作に破壊されることがあってはならないと考えます。  開発事業と自然環境との調和については,環境影響評価制度,いわゆる環境アセスメント制度があり,本市においても個々の事業ごとに環境アセスメントを実施していると聞いております。  先ほども述べましたような大規模な開発において,地域全体から見た総合的なアセスメントは実施されているのでしょうか。  そこで,さらにお尋ねいたしますが,来年度予算では,環境アセスメント実施システムを整備することになっておりますが,どのようなものをお考えなのか,また,どのような役割を果たしていくのか,お尋ねいたします。  次に,保健所についてでございます。  保健所は,乳幼児の健診,予防接種,成人病予防や食品衛生の監視など,幅広い公衆衛生活動を通し,市民に密着した健康を守る重要な施設と考えております。  乳幼児の健診のみについて見ましても,毎年市内の出生児約1万3,000人のうちのほぼ9割の母親と乳幼児が保健所を利用されるなど,極めて市民に親しまれている施設であると思います。  このように市民と密接な関係にある保健所は,できるだけ市民の身近なところに設置するという基本方針のもとに,昭和55年,政令指定都市に移行されてからは各区に設置され,このうち,東,安佐南,安佐北,安芸,佐伯の五つの保健所については,各区役所内に設置されており,比較的広いスペースで,明るく,親しみやすく,また,交通の便もよく,利用しやすい施設となっており,市民の評価もよいと聞いております。  しかしながら,中・西・南の3保健所については,昭和20年代から30年代にかけて建設されたもので老朽化が進み,施設も狭いため,市民の待ち合いロビーもなく,健診会場も狭く,冬は寒いなど,健診や健康相談に来られた市民からの不満,苦情も聞いており,また,職員からも利用しにくい施設であると聞いております。  明るく清潔で親しみやすい保健所にはほど遠い施設となっておりますが,このような老朽化が進んだ3保健所について,建てかえの計画はあるのでしょうか。  また,これからの保健所施設は,健診や健康相談のみならず,もっと市民が気軽く,幅広く利用できる施設として整備をする必要があるのではないでしょうか。  一挙に3カ所を改築するということは困難としても年次計画を立てて順次整備すべきであると思いますが,当局の御見解をお尋ねいたします。  次に,市行政の所管外事項の対応についてでございます。  行政規模の拡大に伴い,支配的機運と縦割り行政の弊害が強まる傾向が見受けられることは,ある程度はやむを得ないものでありますが,市長以下幹部は,市政遂行に当たり,守備範囲だけの行政執行にとどまらず,関連事業については積極的に取り組み,市民のための市政に万全を期していただきたいものであります。  往時より清流をもって象徴されます広島の川は,管理権は,国・県でありますが,市当局を初め市民は,川をきれいにしよう,1歩進んで泳げる川にしようと懸命な努力を続けていただいていることに対し,敬意を表するものです。が,干潮時に猿猴川の荒神橋の上に立っていると,川というよりどぶとしか言いようのないほど,汚濁は進み,臭気は周辺に満ち満ちており,水と緑と文化のまち広島のキャッチフレーズが空虚にさえ思えるのであります。  猿猴川を埋めろとか,ふたをしろとか,猿猴川を無用の長物視した論が地元から出るのも当然だと思われます。  昭和40年10月22日,当時の県会議員児玉秀一先生立ち会いのもと,永野知事と安国組合長との間で太田川の養魚場の埋め立てにかかわる交渉の中で漁業権放棄契約書が締結され,その契約書の第7条に,事業終了後における京橋川,こ流入する水量が平常時でおおむね本流と同程度になるよう考慮すると明記されておりますが,これが実施されていない結果が,京橋川が死の川に化しつつある原因となっております。  特に,本年は暖冬でもあり,雪も少なく夏場には水不足が心配されるということでは,なおのこと河川の汚濁が問題になると思われます。この点で,河川浄化に対する対応をどのようにするのかお尋ねいたします。  また,太田川水系は1級河川で,国・県の管理下にあり,市としては何らこれに関与することはできないということですが,少なくとも国際平和文化都市ひろしまの玄関口である広島駅前を流れる川が現状でよいものとはだれも思わず,市政の評価にもつながりかねないゆゆしき問題であり,所管外とは言え,市民のための施策として早急に国・県と協議に入られるよう強く要望するものであります。  以上で一般質問を終わります。長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳坪進君) 市長。           〔市長荒木武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの平野議員の質問の中で,市長の政治姿勢について,4点の御質問がございました。御答弁申し上げたいと思います。  まず,都市像についての御質問でございますが,御案内のとおり,昭和45年に策定した広島市総合計画においては,国際平和文化都市及び中枢管理都市という二つの都市像を掲げております。その後,昭和53年の総合計画改定時に都市像について種々検討した結果,都市像というのは,都市の将来の望ましい姿を描いたものでありまして,あくまで理念的なものであるのに対し,中枢管理都市という概念は国土における広島の位置づけ,役割を示したものであり,都市経営の視点としてとらえていく方が適当であるという判断から,これを都市像としては掲げないこととしたものであります。したがって,中枢都市としての都市づくりの視点は,現在の新基本計画の中にも当然含まれているものであります。  また,広島と四国,山陰地方との連携について,どのように考えているかということでございますが,最近,中国縦貫自動車道の開通,情報通信基盤の整備によりまして,東京や大阪など,大都市圏との時間距離は確実に短縮し,その結果,岡山や鳥取,島根,山口は,阪神経済圏や九州経済圏に組み込まれるなど,中国地方は,経済圏域としては大きく分極化の方向にありますが,一方で,西瀬戸経済圏など,既存のブロックの範囲を超えた交流も活発化しつつあるわけであります。  こうしたことから,21世紀に向けての広島の都市づくりを構想するに当たりましては,新たな交流圏域として,広島県,島根県,山口県東部,愛媛県を含む人口500万の新たなブロック圏の構築が大きな課題であると考えております。  これは,山陽自動車道や中国横断自動車道,本四連絡架橋,尾道─今治ルートなどの高速交通網の整備充実により,広島を中心とした2時間交通ネットワークの整備を図り,広島と四国,山陰との連携を強化し,地域の発展を図っていこうというものであります。  広島市は,この新しいブロック圏の中心都市として,広域的視点に立った交通体系の整備に加え,情報機関,情報基盤の整備,地域経済の活性化,国際交流機能の強化や高次教育・研究機能など,中枢管理機能の強化,広島を拠点とした瀬戸内海の総合的利用,個性豊かな地域づくりなどを進める必要があると考えております。  次に,政府関係機関の地方移転への対応についてでございますが,御案内のように,本年1月22日,国の機関等の移転について閣議決定が行われ,その中で,移転対象となる機関の基準及び各省庁の事務次官級からなる国の機関等移転推進連絡会議の設置が決定しております。  これを受けて,政府は,本年3月末をめどに,地方移転の対象となる地方ブロック機関,特殊法人など,約200機関について見直し作業を進め,7月末に移転機関を閣議決定すると聞いております。  これまで,本市において,外務省で検討が進められておる国際開発大学の誘致等について,国に対し積極的な働きかけを行っているところでありますが,今後こうした国レベルで新たに整備される機関や既存の国の行政機関,研究機関等の中で本市の都市像や地域特性あるいは中四国地方の現状などから見て,広島への立地が適当と考えるものについては,国を初め関係機関に対し,強力な誘致活動を展開してまいりたい,このように考えておるところでございます。  次に,多心型都市づくりについての御質問でございますが,御案内のとおり,本市の都市構造は,都市形成の歴史的経緯などから,交通体系を初め,商業・業務機能などが広島の都心部である紙屋町,八丁堀に一点集中している形態となっております。  今後,人口100万を超える大都市として,新しい時代に対応した都市機能の強化や都市全体のバランスのある発展を図っていくためには,都心部において,高次の都市機能を計画的に整備していくとともに,例えば,西部丘陵都市,宇品・出島沖地区,広島駅周辺地区,さらには,可部,五日市,西部商工センター,横川,己斐など,交通の結節点になって,将来の都市づくりに大きな可能性を持つ拠点地区において,望ましい土地利用への誘導やあるいは交通体系の整備,地域の特性を生かした各種都市機能の適正配置などによって,多心型都市構造への転換を図っていく必要があると考えております。  また,各区の地域特性を踏まえながら,その将来像を明らかにし,それを具体化することは,広島市全体の発展につながるものと考えており,現在進めております総合計画の改定作業におきましても,こうした視点から各区の将来像について検討をしていくことといたしておるところでございます。  以上。 ○議長(柳坪進君) 福島助役。 ◎助役(福島隆義君) 市長の政治姿勢の御質問の中で行政の総合的な推進,特に,大規模事業の具体化を図るために,企画調整局を初め,行政組織,行政手法について,どのように考えるかという御質問でございます。  川崎市の事例をもとに多角的に御提言をいただいたわけでございますが,本市の企画調整局は,都市像であります国際平和文化都市を実現するために,また,中枢管理機能都市としての都市機能の拡充強化のため,計画的にこれらを推進する必要性から,各局と連携をとりながら,基本計画を策定し,また,これを確実に実施するために,毎年3カ年ごとの実施計画を取りまとめ,必要な調整を行いながら実行しておるところでございます。  各局におきましては,基本計画,実施計画の具体化に当たりましては,企画調整局はもとより,財政局を含めた関係部局と連携を図りながら,事業の推進に努めているところであります。  中でも関係部局が多局にわたるような大規模な事業,例えば,アジア大会,新交通システム建設事業,西部丘陵都市建設事業などにつきましては,関係部局との連携の強化を図るため,市長,助役を初め,関係部局をもって構成するプロジェクトチームであります推進本部を組織して事業の推進に努めているところでございます。  プロジェクトチームによる事業の実施手法につきましては,御提言にありましたような,川崎市のような一点集中型のチームと,また,本市が行っておりますような主管局を中心として,関係局との連携のもとに実施する方法とがあろうかと思うわけでございますが,本市におきましては,現状におきましては,組織の機動性,職員の効率的な活用,施策の展開の必要性などから,後者の方法をとっているのが実情でございます。  今後とも本市におきましては,先ほど申し上げましたアジア大会,西部丘陵都市,加えてメッセ・コンベンション施設の建設等,大規模事業が山積しておるわけでございます。プロジェクトチームの組織,活用のあり方等,いま一度見直し,御質問の趣旨であります縦割り行政の弊害を排除しながら,組織の機動性,柔軟性を確保し,事業の積極的な推進を図っていきたいと考えておりますので,御了解願いたいと思います。 ○議長(柳坪進君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 留学生問題について,二,三お尋ねでございました。  広島市及び周辺地域を含む広島地域には,現在,広島大学等,四つの大学に350人余りの外国人留学生が在籍をしておりまして,うち本市には,お話の中にもございましたように,約240名が在住をしているわけでございます。  国際化を施策の重点課題としている広島市にとりまして,幅広い分野における交流を今後も積極的に進めていく必要があるわけでございますが,その中にあって,外国人留学生は,出身国と広島市との交流のかけ橋になってくれるということが期待できること,あるいは学術研究分野の交流の推進には欠かせないというふうなこともございますので,これまで交流には積極的に取り組んでいるところでございます。  今までどんな交流が行われているかという,まず1点目のお尋ねでございますが,在住外国人留学生との交歓会あるいは懇親会といったふうなものをやったり,あるいは在住留学生や在住の外国人との意見交換会と申しますが,声を聞く会というようなこともやっておりますし,また,留学生平和セミナーと,せっかく広島で学んでいらっしゃる留学生を対象に平和セミナーというふうなものも実施をいたしておりますし,また,広島市の施設の見学会といったふうなこともやったりいたしております。  そのほか,広島市成人祭への招待等をいたしておりますし,また,外国人留学生による印象記「私と広島」といったふうな印象記を出版をいたしたりしております。  また,留学生の宿舎である広島アジア文化会館への改修費の補助といったふうなことも昭和60年度には行っております。  そのほか,市民と留学生も含めた在広外国人との交流の場として定着をしておりますペアセロベを,国際交流協会か他のボランティアのグループ等々と協力をしながら実施を毎年いたしておりますし,公民館を中心にしまして,外国人留学生との交流事業あるいはイベント,あるいは外国人留学生を講師とした異文化の理解講座といったふうなものも実施されております。  また,民間におきましても,日本語によるスピーチコンテストといったふうなものも行われておりますし,国際交流等留学生のシンポジウムといったふうなこともやられております。  また,文化振興事業団は,各種のコンサートへの招待といったふうなこともやっておりますし,有志による広響の定期演奏会への招待といったふうなこと,あるいは婦人団体あるいは市民ボランティアによる日本料理の講習会や交流の夕べというふうなものも行われている状況にあります。  広島地域の外国人留学生の在学状況でございますが,358人の中で国費による留学生が191名,外国政府派遣が52名,私費留学生が115名という実態にございます。  外国人留学生への学資援助と申しますが,奨学金についてどう考えるかということでございますが,先ほど申し上げました国費,これは,我が国の政府が国費を出している,奨学金を出している留学生が191人おりますが,それ以外の私費留学生等を対象にしまして,民間奨学金として広島市内の事例といたしましては,財団法人熊平奨学会が月額5万円を50人に支給をいたしております。また,財団法人鶴 虎太郎奨学会が月額4,500円を3名に給付をしているというふうな実態にございます。  広島市といたしましては,外国人留学生の生活実態を正確に把握し,今後の留学生対策の指針とするために,昭和63年度におきまして,外国人留学生の生活,学業,交流の実態あるいはニーズ等の把握,また,大学,民間団体等,関係者の意向調査を行い,在広留学生交流推進万策を策定しながら,大学,県,市,企業あるいは民間団体等,それぞれ役割分担をしながら,留学生問題に対処していきたいというふうに考えているところでございます。  御提案がございました留学生の生活対策,それから,学費援助につきましては,他府県,他都市の例もいろいろお話の中にもございましたが,それらを十分参考にしながら,本市としても広島市国際交流協会におきまして,前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。  次に,外国公館が広島市にあるかどうかということでございます。  本市にある外国公館につきましては,現在,ブラジル連邦共和国とデンマーク王国の二つの国の名誉領事館が設置をされております。  こうした名誉領事館,また,大使館,あるいは総領事館等,外国公館の設置につきましては,設置国の政府が我が国との歴史的あるいは社会的な関係,すなわち,通商貿易の量,あるいは我が国におけるそれぞれの国の滞在者の数,また,地域的なバランス等の諸要素を勘案し,相互主義の考えに立って,我が国政府の同意を得て設置をされるということになっているわけでございます。  世界に開かれたまちづくりを推進している本市としては,今後,本市の国際化を進めていく中で諸外国との友好関係の緊密化に努力し,こうした外国公館が設置をされるような都市環境の整備,条件づくりに努力してまいりたいというふうに思っております。  具体的にお話しございましたドミニカ共和国の公館の設置につきましては,その要望が我が国の外務省に出されているというふうに聞いておりますので,本市としても側面的に応援をしてまいりたいというふうに思っております。  以上です。 ○議長(柳坪進君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 海と島の博覧会関連の御質問にお答えいたします。  まず,海と島の博覧会には目玉となるものや目新しいものか見受けられないとの御指摘でございますが,今回の博覧会の特色を一言で言いますと,海と島の魅力,楽しさをトータルで体験できる参加型博覧会であると言うことができようかと思います。  従来の博覧会では,パビリオン中心で構成されておるわけでございますが,今回の海と島の博覧会では,パビリオンの魅力に加えまして,会場内を歩くだけで楽しくなるような,会場自体が訪れた人々に満足感を与えるような環境づくりを大きな特色とする考えでございます。  まず,メーン会場につきましては,会場の中央に約6ヘクタールの海をつくりまして,その周囲に独自なテーマを持った七つの島を配置し,その中にそれぞれのイメージに合ったパビリオンや各種の遊具,モニュメントなどを設置することとしております。  その中でメーンテーマ館は,その一つは,ドーム型の大型映像館といたしまして,世界の海と島の雄大なロマンを映像的に体験できるものとし,もう一つのパビリオンでは,ローマから瀬戸内海に至る海のシルクロードをたどり,交易と文化交流の歴史を遺物や映像で紹介していくことを考えております。この中に先ほどお話がございました四川省からの恐竜等の展示も行うということにいたしております。  また,企業館は,七つの島に出展をお願いし,それぞれアイデアを競っていただくこととしておりますほか,会場内にはイベント用のメーンステージやミニステージ,あるいは会場全体が俯瞰できるゴンドラリフト,あるいは子供のためのいろいろな遊具や親水空間なども設置することにしておりまして,他の博覧会とは一味違った博覧会にしたいと,このように考えております。  次に,博覧会の総事業費についてでございますが,総事業費は,現在のところ,約82億円を見込んでおります。  また,観客動員数につきましては,有料入場者数といたしまして,広島のメーン会場が約300万人,それから,県内の沿岸島嶼部会場30万人,計330万人を見込んでおります。  次に,博覧会開催による経済的波及効果についてでございますけれども,現在,予測調査を行っているところでございますけれども,中間的な取りまとめといたしましては,博覧会の開催により投下する事業費が,協会と県・市を合わせまして,約200億円,それから,博覧会の入場者330万人による消費額,約120億円となっております。  この調査では,しかし,民間パビリオンの建設費,運営費などがまだ含まれておりませんので,今後さらに,博覧会開催に投下されるいろいろな事業費を整理しながら,経済的波及効果の予測を行ってまいりたいと,このように考えております。  最後に,施設として,博覧会終了後,市が何が市域に残せるかという御質問でございますけれども,西部臨海埋立地内のメーン会場につきましては,将来的には下水道処理施設の建設が予定されておりまして,会場施設につきましては,仮設で開催し,会期終了後は,基本的には撤去することにいたしております。
     しかしながら,施設や展示物を再活用することができれば,それは,極めて望ましい方向でございまして,博覧会の投資効果も高まることになります。  したがいまして,今後,展示物,展示館あるいは植栽広場等の外構施設等のうち,活用可能なものにつきましては,中・長期的に,あるいは暫定的にでも,できるだけ再活用していく方向で検討してまいりたいと考えております。  例えば,先ほど市長も御答弁申し上げましたように,主要展示物の一つであります遣唐使船等につきましては,本市の方で譲り受けまして,将来,博物館の主要な展示物として活用していくというようなことを考えてまいりたい,このように考えております。  以上です。 ○議長(柳坪進君) 衛生局長。 ◎衛生局長(吉田哲彦君) 衛生行政につきまして,2点ほど御質問ございましたので,お答え申し上げます。  まず,第1点は,大規模開発の推進に当たって,環境との調和を図る必要があると考えるが,このたび成立します環境アセスメント実施システムの目的,内容についての御質問でございますが,現在,本市におきましては,国道2号線などの主要幹線道路におきます自動車の騒音や排気ガスによります大気の汚染を初めといたしまして,太田川あるいは広島湾などの水質の汚濁状況等につきまして,定期的に調査を行いまして,その調査結果に基づきまして,工場等から排出されます公害の排出指導など,市域の環境保全に努めているところであります。  一方,本市の環境の状態についてでありますが,今後は,都市基盤施設の整備や大規模な開発計画が多く予定されておりますので,この進展によりましては,当然のこととして,本市の環境も大きく変化することが予測されます。  このため,これらの開発計画によります環境への影響がどのようなものなのか,また,その程度はどのようになるかといったことをあらかじめ予測いたしまして,新たな公害の発生や環境の破壊をできるだけ事前に防止することが,今後の私どもの環境行政にとりまして極めて重要なものと考えております。  そこで,来年度環境アセスメント実施システムの整備の予算をお願いしておるわけでございますが,このシステムは,従来から市域の環境につきまして蓄積しております大気あるいは水のデータをもとに,環境の将来予測を科学的に行うためのコンピューターによりますシステムでございます。  そこで,このシステムを活用することによりまして,環境保全の立場から,事業部局あるいは建設業者,こういったものが行う必要があります環境アセスメントのために──環境アセスメントを業者に委託をしてつくっていただくわけでございますが,その際に,私どもの方から技術指導あるいは解析データを提供いたしまして,よりよい環境アセスメントをつくっていただき,また,県の環境部局との連絡調整に当たりまして,私どもの方がいろいろ御指導を申し上げると,こういうことをやることによりまして,よりよい環境アセスメントを実施し,そして,開発事業がスムーズに行えるよう,私どもとしてはお手伝いをするということを考えておるわけでございます。  また,非常に大規模な開発が予定されております西部丘陵都市の建設計画につきましても,新設が予定されております開発局との調整のもとに,この環境アセスメント実施システムを使いまして,個々に行われます環境アセスメントに対しまして,技術的な御指導を申し上げたり,あるいは地域全体の総合的な環境予測と,こういったものを実施していきたい,そして,これに基づきまして,各開発計画が相互に及ぼし合います影響,いわゆる相乗効果,あるいは総合的な影響評価,こういったものを解析しまして,開発が環境と調和のとれたものとなるように私どもとしては御援助を申し上げたいと,このように考えておるわけでございます。  第2点目の老朽化が進みました中・南・西の3保健所の建てかえ計画についての御質問でございますが,保健所は,御指摘のように,明るく清潔で市民に親しみやすい施設であることが重要であると認識しております。  政令指定都市に移行に合わせまして,各区に保健所を設置したところでございますが,このうち区役所内に設置いたしました五つの保健所は,交通の便もよく,市民が利用しやすいような施設として整備をしたところでございます。  しかしながら,御指摘にもありました中保健所は昭和27年度に,西保健所は29年度に,南保健所が38年度に建設されまして,その後,幾度かの増改築を行ってきましたが,現状におきましては,老朽化が進み,また,狭隘であることから,建てかえの整備の必要があるものと考えております。  また,これからの保健所は,高齢化社会に対応しました健康増進,健康診査,健康相談からリハビリテーションに至る一貫した指導ができるような施設として整備する必要があろうと考えております。このための施設の機能についても今後あわせて検討していかなければいけないと思っております。  そこで,3保健所の建てかえ整備につきましては,御指摘の御意見も踏まえ,また,他都市で新しく建設されました保健所の例などを参考にしながら,局内におきまして検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(柳坪進君) 経済局長。 ◎経済局長(和泉禎一君) 水上遊覧船についてのお話がございました。現状につきまして,お答え申します。  水上遊覧船の運航につきましては,昨年12月,広島商工会議所の常議員会で広島の河川における定期遊覧船運航についての報告がなされまして,現在,商工会議所から船の運航の専門家に遊覧船の形状,構造,乗組員の数,乗船定員,免許の種類,乗降場所,こうしたことに基づく経営収支の試算等につきまして,実施に向けての具体的な調査が依頼されているところでございます。  本市といたしましては,乗降場所や利便供用施設の整備等,協力する考えでおります。  商工会議所の調査結果がまとまった段階で関係機関,団体と総合調整しながら,遊覧船の運航に向けて努力してまいりたい,このように考えております。 ○議長(柳坪進君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 所管外事業とのかかわりについての中での猿猴川,京橋川の汚濁問題への対応でございますけれども,この両河川に堆積しております汚泥の除去につきましては,広島県におきまして,河川環境整備事業といったことで取り組んでおりまして,猿猴川につきましては,昭和48年度から,河口から約3キロメートル,それからまた,京橋川につきましては,昭和55年度から,河口から約1.5キロメートルのしゅんせつをしてきておるわけでございます。  しかしながら,議員御指摘のように,非常に汚濁が進んでおるということでございます。本市としましても,従来から県に対してはこのしゅんせつを要望しておるわけでございますけれども,より一層,このしゅんせつ要望,環境整備につきましての申し入れをしていきたいというふうに考えております。  また,この両河川を含みます太田川水系全体の河川環境管理基本計画といったことの策定を,これは,県が──国が主催をいたしまして,学識経験者,それから国,県,また,この関係市町村といったもので協議をいたしまして,近く取りまとめることになっております。  こういった環境管理の基本計画ができますと,これをもとにして,いろいろ環境管理についての具体的なものを立てていくというようなことになりますので,これは,非常に期待ができるのではなかろうかというふうに考えております。  いずれにしましても,今後とも広島市の玄関を流れております川でございますので,この河川環境基準につきまして,関係機関と協力しまして,積極的に対応してまいりたいというふうに考えております。  ─────────────────────────────────                休憩宣告  ───────────────────────────────── ○議長(柳坪進君) この際,暫時休憩いたします。              午後0時28分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~              午後1時40分開議              出席議員 45名              欠席議員 19名 ○副議長(米田十郎君) 出席議員45名であります。  ─────────────────────────────────                開議宣告  ───────────────────────────────── ○副議長(米田十郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き総括質問を行います。  59番山本 誠君。           〔59番山本誠君登壇〕(拍手) ◆59番(山本誠君) 私は,日本社会党議員団を代表いたしまして,先般の市長の説明を含めまして,市政の諸問題について質問いたします。  質問に入る前に,ことしは国連人権宣言の40周年,言うなれば人権年,明年は,市制施行100周年,広島平和記念都市建設法制定40周年,原爆ドーム保存に取り組まれて25年,そして,築城400年という大きな節目を迎えるわけでありますが,これらを考えるときに,原爆による廃墟というハンディはあっても,この誇り得る広島の歴史をもたらしたのは,それぞれの時代に生きた市民世代の英知と努力の積み重ねがあったことを忘れることはできません。  しかし,英知と努力をもってしても,あの原爆の傷跡は今日なお市民の心に深く刻み込まれているばかりでなく,今日,被爆者の多くは,老齢化の中で病気と闘い,健康への不安に悩み,そして,毎日の生活に苦しみ続けているのであります。  なぜ,傷つき,なぜ今なお後遺障害に悩まされなければならないか,苦悩と失意の日々を送っているのであります。こうした現実があることも忘れることはできないでしょう。  こうした歴史と現実をしっかり見詰め,どう評価し,訪れるであろう地方新時代と言われる21世紀に向けて,今こそ,しっかりした都市政策の理念を構築しなければならないと思うのであります。  そうした観点に立って,幾つか質問を申し上げます。あくまでも行政は市民一人一人のためのものであって,決して,市民が行政の道具でないということを念頭に置いて,市民にわかりやすい御答弁をいただきたいと思います。  最初に,財政問題についてでありますが,午前中の藤田議員と趣旨が同趣旨でありますので,簡単に申し上げますが,今年度の予算総額が一般会計で3,816億,企業会計を合わせて6,286億となったわけです。そういう中で,この裏づけとなる市税収入の関係を見ますと,使用料・手数料の増額,あるいは財政調整基金30億,都市整備事業基金の40億,さらに,市債460億の言うなれば借金,これが一般会計で見ても3,200億と,ある意味では一般会計と同額に匹敵するだけの借金財政となってきておるわけであります。  そこで,午前中,市長は,その市債に依存することについては認めながらも,今後は,そうした依存を最小限に抑えるよう十分配慮して自主財源の確立に努力をしていくということでありました。  しかしながら,行政というのは,市民の福祉あるいは文化的な市民生活を送る上で,使用料・手数料を上げればいいということだけではないと思うのであります。  そういう意味で,市民福祉の低下を招かないという前提での午前中の御答弁であったのかどうかを再度御質問申し上げます。  また,新たな時代に対応できる制度,組織,財政等のあり方,特に,今日,地方の時代と言われております。そして,特色ある都市づくり,そういうものを展望したときに,これまでの国・県・市町村という,そういう制度でよいのかどうか,こういうものを検討すべきではないかというふうに思いますが,それらの点について,既に検討をされておるのかどうか,これらをお尋ねいたします。  次に,都市政策の理念と機能についてでありますが,私は,これまで56年12月議会でも,21世紀に向けた都市づくりの理念は,施設環境という客観的条件の充実という発想を踏まえて,それに加えて,人間の生存と発達保障という主体的な条件のまちづくりが必要であるということを申し述べてまいりました。  そのための機能として,住む,働く,憩う,学ぶが必要である。しかしながら,59年の7月,西部丘陵都市づくりの構想が発表された中で,住む,働き,憩うの理念に基づいてということで議会にかけられました。その翌年の60年,の2月の議会で私は学ぶ機能というものが必要ではないかと,こういうことを提起をいたしました。  当時,それに対して御答弁をいただいたものを持っておりますが,その中で市長の答弁の,これを読んでみますと,「昭和53年に……」途中だけを読みますが,「昭和53年に策定した広島市新基本計画では,都市政策のテーマとして,人間性豊かな都市環境の創造ということを掲げている」と,「この人間性豊かな都市環境というのは,市民がそこに住み,働き,憩うという活動をより豊かに行える環境のことだと理解しておる」と言って,新基本計画あたかも住み,働き,憇うということであるというふうに御答弁をなさっておるわけでありますが,いつの時点で,学ぶという,そういう理念を入れられたのか,その点,その時期とその理由,そして,特別,西部丘陵都市を住む,働く,憩う,学ぶという都市づくりにされた考え方をお聞かせ願いたいと思います。  次に,国連人権宣言の40周年,言うなれば,人権年についてでありますが,日本が世界に貢献するいま一つの柱は,人権問題であるというふうに思います。  ことしは,国連人権宣言40周年であります。広島は,世界の恒久平和を訴え続けているわけですが,人権が守られなくて平和はあり得ないわけでありまして,ましてや,アジア競技大会開催に向けて努力し,さらに,一層具体的な取り組みを進めなければならない今日,市長の所信表明の中に国練人権宣言40周年について何ら触れられていないどころか,昨年来の日韓併合問題が発言されている広島市の市長として一言一句触れられていない。あれは,議会の問題だとして終わろうとする姿勢なのか,市長の見解をお伺いさせていただきたい。  また,1994年,アジア競技大会を広島で開催する意義と大会後のアジア地域に対する具体的な施策は何か,あわせてお答え願いたい。  次に,これまで広島においては,いろいろな国際的な会議か開催されてまいりました。特に,私は,その中で昨年の'87ジャーナリスト国際平和シンポジウム等から広島は何を学び,今後,市政の中に具体的に何を生かしていかれようとしておるのか。  また,市長は,所信表明の中でも広島平和記念都市建設法40周年についても触れられていない。築城400年,市制100年も大切でしょうが,平和都市記念建設法の持つ意義,は大きいと考えるわけであります。これらをどう評価しておられるのか,市長のお考えをお聞かせ願いたい。  先ほどの'87ジャーナリスト国際平和シンポジウムに参加をされた記者の皆さんが書かれた文書の中の一部を紹介したいと思います。原爆資料館を見たトピング氏,アメリカの方ですが,「この種の資料館が完備されているのはすばらしい。だけど,もう一つの資料館が必要だね。なぜ,戦争が始まり,続けられるのかということを記録し,保存する資料館だ」と言われました。その持つ意味は,恐らくトピング氏は真珠湾という言葉を発したかったのではないかと思うのでありますが,広島に先立つ真珠湾攻撃,そして,それに先立つ日本の中国大陸の軍事行動など,すべてを一つの悲劇的な愚かな流れの中にとらえることが必要だということであったろうと思うのであります。  また,中国の記者の席さんは,「中日両国は世々代々にわたって仲よくしていくことを望んでいる。仲よくするためには,双方の理解が必要である。私たちは,広島市民の過去の悲劇,苦痛を知った。日本人には,中国人民がかつて遭った困難についても理解していただきたい。広島の悲劇が起こる前にヨーロッパと中国でも,それこそ無数の悲劇が起こっていた。中国は,日本軍国主義による侵略戦争で2,000万人が亡くなっている。まさか,このことが中国人民の魂に傷跡を残さなかったことはあるまい。中日両国の人々がよりよく相互に理解してこそ,未来に目を向けることができるのである。」と言っておられたことを忘れることはできません。そこに私は原爆資料館に加害者コーナーをつくる大きな意義があると思うのであります。これらの問題についての御所見があればお伺いしたいと思います。  次に,国連外交,市民外交に触れたいと思いますが,市長は,これまで国連を舞台として平和外交,ヒロシマの心の世界化に非常に努力されてきました。  これは,高く評価いたします。  ことしも既に第3回の国連軍縮特別総会,6月にニューヨーク国連本部で開催されるのに向けて,平和文化センターを中心に,さらに,アキバプロジェクトの秋葉先生を含めて努力されておるわけでありますが,また,4月,イタリア・コモ市で世界平和都市市長会議の理事会,さらに,6月,カナダのモントリオール市での核戦争防止国際医師会議第8回世界大会等,それぞれに参加が予定されております。そして,世界平和都市連帯の輪の拡大に努力されていることは非常に結構でありますし,私も大賛成であります。  もっと,こうした機会をとらえて,市長,どうなんでしょうか,広島市民の中に,あるいは広島市民の心の中に平和のとりでを築くような,そういう施策を考えられてはいかがかと思うのであります。  確かに市長が行かれることも大きな意義があるわけですが,もっと,こうした時期をとらえて,市民がともに参加をする,こういうことが必要ではないかということであります。  言いにくい言葉かもわかりませんが,よく荒木市長のことをとらえて,植木市長さんとか,こう言われるわけでありますが,私は緑も非常に結構だというふうに思います。それだけに世界平和のために努力している荒木市長のイメージを,なぜ植木とおっしゃるか,私は腹立たしく思うこともあります。  しかし,なぜ,国際市長とか,平和市長とか言われないのだろうか,まあこれを市長さんに尋ねても無理ですが,そこで,私はお尋ねしたいのは,このSSDⅢに参加される目標あるいは重点をどこに置かれているのか,私は市長が参加をされて,ヒロシマの心を世界に訴えられる,演説をされることも,これも大切なことですが,もう一つ私は,先ほど申し上げましたように,こういうときをとらえて,それを教育の場,学習の場として考えることはできないのか。そのためには,小学生なり,中学生なり,あるいは高校生あるいは一般の人,いずれでも結構ですが,次の世代を担う青少年を学校を休みにして参加させる,そのことによって,大きく青少年に夢を与えることになるのではないか,そして,次への平和を築く人々をつくり上げることになるのではないか,こういうふうに思うのであります。そういう意味で,そうした具体的な点についてお考えがあればお聞かせ願いたい。  確かに平和を叫ぶだけでなくして,平和を支えていくための文化的な蓄積が絶対に必要だと思うのであります。  次に,原爆ドームの保存のための国民運動としての募金活動をされてはどうかということであります。  来年は,原爆ドーム保存に取り組まれて25年目を迎えるわけであります。今年度,市は,保存のための工法検討のため1,200万円を計上されておりますが,過去の経過,また,このドームの持つ意義から考えたときに,決して,広島市民だけの問題ではなく,日本国民,いや世界全人類の課題であるというふうに思います。  42年に,ここに「ドームは呼びかける」という冊子がありますが,これらで,これまでの取り組みの経過などを読ましていただきました。その中に,ある小学校の──東京の小学校の子供がこういうことを書いております。40年のころですから──「先生から,広島の市長さんが原爆ドームを修理するのに必要なお金を大きな会社から寄附してもらわずに,全国の人々に少しずつ寄附をしてほしいと呼びかけていることを聞きました。私は,これを聞いて,市長さんは戦争というものかどんなに恐ろしいものかということを全国の人々に知ってほしいんだなあと思いました。私たちの小さなお金も,原爆ドームが修理されたときには大きなものとなるでしょう。そして,ドームは,世界の人々に戦争の恐ろしさを教えてくれると思います。全国の人々からの寄附が集まり,早くドームが直るといいですね。」こういうところがあります。  私は,まさしく,この子供たちが言っておることを,今40年を経過している今日,最も広島市の哲学として必要なことではないかというふうに思います。  ちょうど当時の浜井市長は,2月ごろに東京あるいは広島の繁華街で雪の日も雨の日も立たれて募金活動を市民の先頭に立ってやっておられます。そして,当時,青少年協会のメンバーも毎日のように街頭に立ってやっております。  その人たちは既に40代を超えております。その人たちの話を聞きますと,今なお,そのときの感動,平和の大切さを今なお強く子供ながらに植えつけられたということを言っております。今,私たちに大切なのは,それが問われておるのではないかというふうに思います。  どうか市長,市民の先頭に立って,そういう運動をしていただくことを強く求めておきたいと思います。  これは,金額の問題ではないと思います。毎年やることでもないと思います。一つの大きな来年が節目だとおっしゃるから,節目であれば,そういう節目をつくる必要があるというふうに思うのであります。  次に,国際平和文化都市機能についてでありますが,全国的に国際化に対応した都市づくりが進められております。そうした中で,どこでも国際会議場が建設され,創意工夫をこらされています。  そうした中で,広島に来たくなる施設とするために何が大切か,それは,私が申し上げるまでもなく,海外から広島が必要とされる都市であるかどうか,そのためには,ハード面はもちろんのこと,ソフト面の充実こそ大切だというふうに思います。  そこで,広島県も国際交流センター構想等が出されております。そういう意味で,広島との機能分担,役割分担が必要だということはお考えのことと思いますが,これらの点について,具体的にどのような調整がされておるのか,お聞かせ願いたい。  それも,今既に広島国際会議場や国際青年会館が具体化する段階でありますので,ぜひともお聞かせ願いたいというふうに思います。  また,これまでも私は,ちょうど50年に議員に出まして,それ以降,ゲストハウスの問題について提起をしてまいりました。数えてみれば,もう13年が経過しようといたしております。  そういう中で,国際青年会館が建設されるわけでありますが,留学生にとって本当に利用しやすい,そういう施設としていただきたいし,それらの内容についてもお聞かせ願いたい。  午前中にもありましたが,現在,留学生が349名,そのうち広大が333名です。医学部はありますから,全部とは言いませんが,広大か東広島に行けば,本当に広島市に残る留学生とは一体何人になるでしょう。  したがって,広大が東広島市に移転しても,やはり広島に住みたくなるような,そういう制度なり,そういう建物なり,そういうものをつくり上げなければならないと思うのであります。  補助金の問題も出ておりました。私は,ひとつ,あすからでもできるようなことを申し上げたいと思います。  それは,円高で苦しんでおるそうした留学生の皆さんに,広島に来れば,今たくさんの放置自転車があって,市のシルバー人材センターであれを修理をして,市民の皆さんに非常に好評を尋たわけですが,そういうものを留学生の皆さんには無料で貸し付けをして,帰るときには返してもらうというような制度をしておけばいいんじゃないかと,あるいはたくさんの家具などが粗大ごみのときに出るわけですが,そういうものを保管をして修理をしていく,そういうものを無償で貸し付けをする,こういう小さな具体的なことをしていかなければならないと思うのであります。  また,当然,国際会議場ができれば,民間団体の,この協議会などの発足も必要がと思います。あるいは,私は,これまで──これまでは,国際平和文化会館とおっしやっていたわけですが,そういうところには民間の交流団体の入居をさしてはどうか,こういうことを,これまで言っておりました。しかしながら,市の方の御答弁は,一般の人を──民間をそういうところに入居さすのはだめだと,こういっておっしゃいました。  しかし,今年度,県の国際交流に対する方針一答申というんですが,提起された中では,そうした民間の国際交流団体を積極的にその建物の中に入れていく,こういう具体的なことが提起されました。それでは,広島を向かずに,市民のグループは,みんな県の方を向いていくんじゃないでしょうか。そういう意味でも,それらに対する考え方を,きょうのこの中で明らかにしておくべきだと,こういうふうに思うのであります。  さて,次の問題は,このリーディングプロジェクトの中で提案になっております国際交流の日や平和賞の創設あるいは政府開発援助,広島基金の設定,海外広島ファンクラブ,こういう問題が提起をされておりましたが,これらについては,いつの時点から,これらについて具体化しようとされておるのか,あるいは私は最後に,広島市は,国・県を含めて,これから世界のために,平和研究のためのデータベースづくりが必要だと思いますので,これらは,今後の検討課題として,ぜひとも御検討をいただきたいと,こういうことを申し上げまして,私の総括質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手) ○副議長(米田十郎君) 市長。           〔市長荒木武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの山本議員の御質問に対して,国連人権宣言40周年について,それから,広島平和記念都市建設法の40周年について,第3回国連軍縮特別総会に出席する目標と訴えの重点は何か,また,市民による平和外交についてはどう考えるのかと,こういう点について,御答弁申し上げます。  まず,国連人権宣言40周年についてでございますが,御案内のように,我が国は,自由民主主義諸国の一員として自国の安全と繁栄を確保するとともに,世界の平和と繁栄に貢献することを外交の基本とするとともに,アジア太平洋地域の一国としてアジア諸国との平和,友好の関係を構築するため,関係諸国の自主性を尊重するとの基本的立場に立ち,平和国家としてアジア地域の安定に貢献しつつ,広範な分野における交流と対話を進めて相互信頼を深め,友好協力関係を強化するため,努力しているところでございます。
     西村議員の発言については,去る2月25日に開会された本議会の冒頭で同議員が全面的に発言の撤回をされ,また,同日,市議会としても所信表明をされているとおり,相互の人権を尊重し合い,主権を重んじ,相互信頼と平等互恵の精神に立脚した友好関係を築くことが肝要であろうと,このように考えているところでございます。  また,広島のまちづくりの原点は,昭和24年8月6日に制定された広島平和記念都市建設法にございます。この法律の目的は,「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として,広島市を平和記念都市として建設すること」である。広島市の都市像というのは,この平和記念都市建設法の第1条の目的の理念を都市づくりに実現するということでございまして,そのために常に市の行政というのは,皆さんも御存じのように,そのような都市をつくることに平素から最善の努力をしているところでございます。  これは,ただ単に,都市というものをつくるだけじゃなく,そこに住む市民の教育,文化,スポーツ,こういうものを通して,それにふさわしい市民をつくり上げていくことが広島市の都市づくりの目標でなければならぬ,このために諸般の施策を展開しているところでございます。これが世界の他の都市と違うところであるということを御理解願いたいと思うわけでございます。  この平和記念都市建設法の持つ意義というのは,何と申しましても,原爆被災の持つ平和的な意義,それから,この平和記念都市建設法に基づいて都市づくりをやることの国家的な意義,それから,核時代における平和の原点としての広島を世界に広めていくと,こういう三つの意義を持つものであると私は理解をいたしておるところでございまして,そういうことを踏まえて,ただいま申し上げましたような行政を進めておるところでございます。  また,来年は,法施行40周年という一つの節目の年を──来年は,自治法(平和記念都市建設法と後の発言で訂正)施行40周年という一つの節目の年を迎えることになるということを十分に頭に入れながら,今後とも諸施策を進めてまいりたいと,このように考えているところでございます。  次に,第3回国連軍縮特別総会へ出席する目標と訴えの重点は何か,市民による平和外交についてどう考えるかということでございますが,私は,本市は,かねてから第2次大戦後の世界の平和維持機構である国連と協力しながら,ただいま申し上げましたような広島の都市づくり,その中に──の基調とする,このような核戦争が起こらないように,あるいは国と国との関係を戦争という手段によらないように,お互いに相互理解,相互信頼,こういう観点に立って国際的な交流を図ることによりながら,平和の中に国際関係の秩序を高めていくということが理想でなければならぬ,このように私は考えているところでございます。  したがって,そのような考え方の中から,なかんずく,核時代においての戦争というのは,行き着くところは核戦争になるわけでございまして,核戦争には,御承知のように勝者も敗者もない,場合によっては,人類が全滅するというような危険すら持っておるわけでございますので,したがって,究極的には,核兵器が廃絶できるように最大の努力をしなければならぬ。  我々,地方自治団体というのは外交権を持っておりませんけれども,しかし,核戦争というものが,ただ単に兵隊と兵隊との間における戦争にとどまらず,例えば,都市に住んでおる市民が無差別にやられるというような,そういう危険を持つとするならば,やはりそういうことが起こらないように,特に,世界最初の原爆の被害を受けた広島市といたしましては,そのような戦争が起こらないように最大の努力をすることが必要であろう。世界の世論形成の原動力になるような努力をしなければならぬ。このような理念の上に立って,いろいろ問題はありましょうけれども,世界の国際的な平和維持機構である国連を通して,そのような世論形成をする使命があろうと,このように考えておるところでございます。  御承知のように,本年5月31日から6月25日までニューヨークの国連本部で第3回国連軍縮特別総会が開催されますが,私は前回に引き続き,ぜひとも出席して発言したいと考えておるところでございます。  また,できるだけ多くの人との交流にも努め,ヒロシマの心を訴えてまいりたいと,このように考えているところでございます。  今回の総会は,御案内のように,米ソ間でINF全廃条約が調印され,また,戦略核削減についても精力的に交渉が行われるなど,米ソ間の軍備上の緊張緩和が進行しているさなかに開催されるという点で,前2回のときとは国際環境が変わっているところでございます。  また,昭和57年の第2回国連軍縮特別総会で私が提唱いたしました世界平和連帯都市も年々その輪が広がり,38カ国205の都市を数えているところでございまして,これらの都市の人口というのは,約1億人を超えておるような,そういう状況になっておるわけでございますので,こういうことの輪を広げながら──将来とも広げながら,世界の平和のための世論形成を醸成していかなければならぬ,このように考えているところでございます。  したがって,今回の総会では,平和連帯都市とも十分協議しながら,核実験の即時全面的禁止と核兵器の廃絶,各国首脳の広島訪問の要請,国際的な平和研究機関の広島設置,それに今後の都市連帯推進計画等を強く訴える考えであります。  また,市民による平和外交については,民間団体,さらには,市民一人一人がそれぞれの立場でその役割を分担し,努力することが肝要であると考え,第3回国連軍縮特別総会を実りあるものとするためにも,草の根団体や市民団体がそれぞれの立場で活動を展開され,核兵器廃絶と世界恒久平和の確立に向けて努力されることを期待をいたしておるところでございます。  以上。 ○副議長(米田十郎君) 福島助役。 ◎助役(福島隆義君) 原爆ドームの保存問題についてお答えいたします。  原爆ドームは,昭和42年に国内外からの募金により保存工事を行ったものでございます。保存の意義は,御質問にもありましたとおり,被爆の実相を継承し,世界の恒久平和を祈念するものであると認識いたしております。  保存工事後20年を経過し,改めて手入れをする必要性が考えられるために,原爆ドーム保存調査技術検討委員会を設け,調査検討を行っているところでありますが,現在のところ,部分補修の必要性が指摘されております。昭和63年度は,検討結果に基づきまして,原爆ドーム保存工事の実施設計を行うことといたしております。  このたびの工事は,技術的な最終結論は出ておりませんけれど,21年前に実施いたしました抜本的な保存工事とは異なり,維持補修的なものになろうかと考えられます。 こうした工事は,今後とも10年ないし20年の期間において実施する必要があると指摘されております。今後これに要する費用を,その都度,国の内外に市として募金を呼びかけることにつきましては,今後慎重に検討する必要が考えられますので,いましばらく検討の期間の猶予を願いたいと,こういうように思っております。  あっ,失礼しました。次に,地方制度の問題に関しまして,現在の地方制度で果たして21世紀に通用するのかどうか,検討しておるかという御質問でございます。  昭和22年に現在の地方制度が定められました地方自治法が施行されて以来,40年が経過いたしましたが,その間,地方自治制度を取り巻く社会経済情勢は大きく変化し,地域社会も著しく変貌しております。こうした状況の中で,国と地方の事務配分,都道府県と市町村の2階層構造,大都市制度のあり方等につきましては,絶えず議論が続けられておるところでございます。  今後ますます進むであろう国際化,情報化,技術革新,高齢化という状況の中で多種多様化する市民ニーズにこたえ,より充実した市民サービスを提供し続けるためには,簡素にして効率的な行政はもとよりでございますが,さらに加えて,国と地方の役割分担や大都市制度のあり方など,地方制度自体を来るべき21世紀に備えて再検討し,再構築する必要があるものと認識いたしております。  ただ,地方制度にかかわる問題は,ひとり広島市のみで解決できるものでなく,指定都市全体あるいは全国の市の共通問題として議論する必要があり,その上で国に制度改正を働きかけるという手順を踏まなければならない問題であると思うものでございます。  現在,全国市長会の都市政策研究特別委員会で今後の地方制度のあり方について検討を進めており,さらには,指定都市においても,昨年の指定都市市長会議において,来るべき21世紀にふさわしい地方制度のあり方について,長期的観点に立って検討をすることとし,本年度から指定都市として本格的な調査研究作業に入ることにいたしております。よろしくお願いします。 ○副議長(米田十郎君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 昨年行いましたジャーナリスト国際平和シンポジウムで何を学んだかというふうなお話でございました。  本市は,昭和60年度に第1回の世界平和連帯都市市長会議を行いまして,また,61年度は,ノーベル平和賞の受賞者等を招いて,'86平和サミット・イン・ヒロシマ,そして,本年度は,核兵器保有国のジャーナリストを招いて,'87ジャーナリスト国際平和シンポジウムというふうに,国際的な平和会議を開催をいたしておりますが,これらは,世界最初の被爆体験をもとに核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う広島の責務として,世界平和実現の国際的な世論を喚起するとともに,広島市民の平和意識の高揚を図ろうということで実施をしたものでございます。  これらの国際会議の参加者には,原爆資料館をごらんいただいたり,あるいは被爆状況等の説明あるいは被爆者との交流あるいは平和記念式典への参列などを通じて,被爆の実相及びヒロシマの──核兵器廃絶を願うヒロシマの心について認識を深めてもらうとともに,これらを踏まえて,シンポジウムでそれぞれ意見を述べていただいたということでございます。  また,それぞれお国にお帰りになって,これらについて広く伝えてもらい,核兵器廃絶を願うヒロシマの心の世界化と申しますが,そういうふうなことを考えているところでございます。  ジャーナリスト国際平和シンポジウムにつきましては,参加したジャーナリストは,帰国後,広島の被爆の実相あるいはシンポジウムの状況等を新聞等を通じて報告され,また,国内においては,テレビ,新聞等を通じて全国に報道をされるなど,国際世論の喚起に役立ったというふうに考えております。  なお,本年は,次代を担う青年の平和意識を高揚し,世界の若者の間に被爆の実相を伝え,核兵器廃絶及び世界恒久平和実現へ向けての問題意識を高めるために,姉妹友好都市から大学生を招いて,青年国際平和シンポジウムを開催することといたしております。  次に,ジャーナリスト・シンポジウムに閏連しまして,原爆資料館の資料展示の見直しのお話がございましたが,現在,昭和64年度開館を目標に広島国際会議場を建設中でございますが,この国際会議場建設の完成に合わせて,平和記念資料館及び平和記念館を渡り廊下で結び,国際会議場は国際交流の場,平和記念資料館は被爆体験継承の場,平和記念館は平和学習の場ということで,三つの施設の有機的な運営を図っていきたいというふうに考えております。  これら3館の機能のうち,特に展示のあり方につきましては,平和記念資料館いわゆる原爆資料館では,43年前の8月6日の状況を中心に被爆の実相を伝えるものと──を考えております。  また,平和記念館では,被爆前の広島と破爆後の広島の歴史的な事実を踏まえ,広島の歩みといったふうなものを考えております。すなわち,広島の城下町から軍都あるいは学都へと推移した状況あるいは戦時体制下の市民生活,被爆後の広島の復興,平和記念都市としてのまちづくりの状況,さらに,広島の平和の取り組み等を中心として展示をしていきたいというふうに考えておるところでございます。  次に,国際会議場等,国際交流施設が逐次整備され,あるいは整備されようとしているが,問題は,中身と申しますが,ソフトの面が──の充実が必要ではないかというふうな御趣旨の質問であったと思います。  国際会議場は,昭和64年7月開館を目標にいたしまして,現在,平和記念公園の公会堂の跡地に建設中でございます。この中には,国際会議を初めとした会議機能,集会あるいはコンサート等を中心としたホール機能あるいは在広の外国人,あるいは広島にお見えになった来広の外国人の交流の場としての国際交流ロビー機能,また,これらの人々に生活情報あるいは観光情報等を提供する情報機能といったもの,あるいは語学,文化講座等を行う研修機能といったふうなソフト面の機能を備えた国際交流の拠点施設とすべく現在,諸準備を進めているところでございます。  お話しございましたように,国際交流の主役は市民でございまして,市民が気安く交流できる場づくりに努力をしていきたいというふうに思っております。  また,広島県で計画中の国際交流センターとの調整はどうなっているのかということにつきましては,県の国際交流センターにつきましては,現在,構想の段階でございます。どのような機能を持たせるかということは,まだ明らかになっていないわけでございます。  本市の施設の機能との機能分相については,現在も若干の協議は行っておりますが,今後とも県・市で十分協議調整をしてまいりたいというふうに思っております。  それから,留学生の問題で,留学生の交流の場をもっともっと発展させるべきではないかというふうなことでございますが,交流の場としては,青少年センターあるいは公民館等が主に利用されておりまして,広島市の国際交流協会もイベントあるいは交歓会等を実施して交流の場づくりに努めているところでございます。  これらの交流をさらに発展させること,あるいは留学生対策につきましては,今まで行いました事業実績等を踏まえながら,新年度,在広留学生の交流推進方策といったふうなものを策定することにいたしておりますので,その中で検討をしてまいりたいというふうに思っております。  また,平和データベース等々,幾つかのお話がございましたが,これらも今後の検討課題であるというふうに思っております。  以上です。 ○副議長(米田十郎君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) アジア競技大会を広島で開催する意義は何かという御質問にお答えいたします。  アジア競技大会を広島で開催することは,アジアのスポーツの祭典を通じて,アジアの多くの国々との交流が促進され,広島の国際化に貢献するとともに,都市基盤の整備,スポーツ施設の整備充実あるいはスポーツの振興等,大きな意義を持つものでございますが,アジア競技大会を広島で開催することのもう一つの大きな意義は,アジア諸国を代表する若人がスポーツを通じてこの広島で交流し,広島の願いを理解して平和への関心を高めるところにもあると,このように考えております。  以上です。 ○副議長(米田十郎君) 財政局長。 ◎財政局長(山下茂君) 昭和63年度の予算の財源構成の中で,特に地方債に依存する割合が高くなってるといった点につきましての御指摘がございました。  その点は,御指摘のとおりでございますけれども,これは,昭和63年度の国のいわゆる地方財政対策,こういったものの中におきましても,国庫補助負担率の引き下げ,いわゆる補助率カットということに伴います影響額につきましては,投資的経費関係では,これは,全額,建設地方債で補てんしていくというようなことがございましたり,あるいは償還財源が将来保証されておる,まあ実質的には国庫補助金でありますいわゆるNTT資金を利用した貸付金でありますとか,こういったものを導入いたしましたり,さらには,63年度の場合,新たに制度化されてまいり,創設をされましたふるさと事業債というような言葉で呼ばれておりますけれども,そういった将来の財源措置が出てくるものを財源として見込むといったことをいろいろいたしております。そういった関係もございまして,地方債の割合を高めるというふうなことになったわけでございます。  63年度の場合,本市ばかりではなくて,他の政令市あるいは都道府県,こういったところにおきましても,今の国の地財対策等の影響を受けまして,同様の傾向を示しておるというところではございますが,本市におきましては,午前中,市長の答弁にもございましたとおり,今後とも事務事業の見直しやいろいろな財源確保に努め,いろいろな努力を積み重ねることによりまして,財政の健全性の確保について十分に留意をいたしながら,硬直化というようなことを招くことのないように財政運営を行ってまいりたいと,こういうように考えておるところでございます。 ○副議長(米田十郎君) 都巾整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 西部丘陵都市にかかわる御質問にお答え申し上げます。  西部丘陵都市の構想は,本市の一点集中型の都市構造を多心型に変えていくという基本的な考えのもとに,各般の都市機能を備えた総合的な都市づくりを目指すものでありまして,その中には学ぶ機能をも含むものでございます。  御指摘の都市のイメージをあらわす言葉については,昭和61年5月に確立をいたしました都市建設基本計画の中で,住み,働き,憩うという表現にいたしておりましたけれども,都市が持つすべての磯能を有する総合都市としてのイメージをより的確に,より鮮明に表現したいという趣旨から,学ぶということを加えたものでございますので,この点について御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 市長。 ◎市長(荒木武君) 私の発言中,広島平和記念都市建設法40周年についての質問の答弁中,自治法と誤って答弁したように思いますので,おわびして訂正いたします。 ○副議長(米田十郎君) 59番。 ◆59番(山本誠君) たくさんの問題があるわけですが,二,三に絞って申し上げたいと思います。  最後の方からいきますと,都市整備局長から学ぶというのをつけたということですが,それは,広島市全体に必要なことであって,西部丘陵都市だけにですね,住み,働き,学ぶというのが,あそこだけに言う問題ではないと,こう思うわけですね。  そこで,私が60年の2月──57年にそういうことを言って,59年に西部丘陵の構想が出て,そのときには学ぶというのはなかったわけですね。で,60年に学ぶが必要じゃないかと,こういうことを言ったら,それは基本構想にないとかいうて御答弁になっておるので,なぜ変わったのかということ,今のでわかりましたから,再答弁は結構です。  だから,私はやはり人間が生活していく上で,やはり憲法に保障された25条,26条,27条の精神が,住む,働く,憩う,学ぶというのになるわけなんで,そういう意味で申し上げておるわけで,その辺をきちっとですね,何か担当者がかわると文字が変わったりするような哲学がないように,広島市の哲学は,一貫して,局長がかわっても,担当課長がかわっても一貫してあるようにひとつお願いをしたいと,こういうことです。  それから,助役さんの方から,原爆ドームの保存の関係について,修理のというお話であったわけですが,私はやはりこの確かに42年でございますね,しかしながら,あの調査費をつけたなど段取りをされたのは40年からです。で,今,広島は,海島の博覧会,100年とか,あるいは築城400年とかいう言葉を使って,その時期をとらえて大きな節目としていきたいという考えがあるわけですから,当然,平和都市建設法の40周年,こういうものを広島の大きな一つの市長も力説されておりましたが,広島の一つの大きな都市づくりの理念であるわけですから,そういう意味では,なぜ40周年というのをですね,外しておるのかなと,そういう意義をやはり市民に広く知らしめるというのが行政の役割じゃないかと,そういう文化的な蓄積,そういうものが将来の平和へのとりでになっていくわけですから,そういう意味で私はこの金額の大小とか,修理程度だからとかいうんでなくして,そういう時期にそういう問題があれば一緒にとらえて,やり方はいろいろあるでしょうけれども,考え方として,そういうものを入れるべきだと,こういう趣旨のことを申し上げております。  そういうことに今後検討をするということですが,それは,その大きな額になれば募集をしていくというような意味にとれるわけです。私は,額の大小の問題ではないと,こういうことを言っておりますので,その点についても含めて,今後の御検討をしていただきたいというふうに思います。  で,企画局長は,アジア競技大会後の私はですね,アジア地域に対するこの施策,そういうものをどう考えておるかということも,私の原稿をすべて二,三日前に渡したんですから,お読みいただいておると思うわけですね。で,自分の都合のいいところだけをですね,とって答弁してもろうたんじゃあ私はかなわぬわけです。大体,都合のいいところしか答弁されてないわけですね。  で,そういう意味で,やはりアジア地域──このおっしゃったことは合うとるんです。ほいじゃ,アジア競技大会が終わったらですね,何をするのか。あるいは,私は思うのに,例えば選手村などつくるわけでしょう。いろいろな施設をつくらなきゃならない。そういうものが,後,アジア競技大会が終わった後,例えばアジア地域の留学生のための宿舎にするとか,そういう具体的な問題も含めてですね,もっとあなたのような立派な頭を持っておられる人ですから考えておられるんじゃないかと,こういうことを,あの質問の裏にはあったわけですね。これは,また,委員会等でやらしていただきたいと思うわけです。  で,室長の方から,国際交流機能の問題についてね,県の方は,まだ機能の問題についてはないとおっしゃいますけれども,私がやはり広島にこの時期にやはりはっきりしておいていただきたいというのは,県の方はですね,もう,こういう冊子で出ておるわけでしょう。この中にはですね,交流センターの機能というのを,こう書いてある,具体的施策として。  民間──僕は,特に,この中のですね,民間交流団体,国際交流団体等の入居,これは,先般,特別委員会で大阪の国際交流センターに参りました。そしたら,あそこも午前中もあったようにですね,よその領事館とかですね,そういうところを積極的に何か建物の中に入っていただこうという努力をしておるわけですね。  ですから,広島国際会議場に名前は変わりましたけれども,あるいは国際交流──国際青年会館,いろいろなのを今度つくるわけですけれども,そういう全体の機能の中に,そうした精神をこれから入れていくのかどうかと,会議場の中へ入れえとは言いませんけれども,これからのそうした国際平和文化都市ひろしまの機能として,そういうものも考えていくんだと,僕も忘れもしませんけれども,私が質問したら,いや民間なんかを市の建物の中へ入れるようになっておらぬいうて言われましてですね,じゃあ,市民球場のカープはどうしてあそこへ入っとるんかいうて質問したのを思い出すわけでありますが,県などは,既にそういうものの中に入れていこうという姿勢をきちっと出すわけです。  例えば,池田さんもおっしゃるように,県のですね,「県民だより」正月号の1月1日──正月号などを見るとですね,広島市と我々が一生懸命やったようなことを,県がやったようにですね,大きく,こう出されるわけですね,しかし,一生懸命,地道に市がやっておりながらですね,何か最後のところになると,県の方の主導性の中に統括されるようなね,そういう我々は腹立たしさを覚えるわけです。そういう意味では,もっと自信を持ってですね,そういう基本的なことをぱっと,こう市民にアピールしていただくと,こういうことが大切だというふうに思います。  で,もう1点言うのを忘れとったんですがね,この平和記念館なり,平和資料館なり,平和公園等を整備,これからされるわけですが,国内外からあそこを訪れられてですね,現在のところは,静かに,平和資料館などを見られて後ですね,子供らと一緒に家族で平和の問題について語るとか,そういう場所がないんですね。そういう意味では,これからの改築等の中で考えられると思いますが,ぜひともそういう平和を語ったりできるような,そういう冥想のできるような雰囲気をぜひともつくっていただきたいと。  それと,今,ボランティアの方たちで,この平和の語り部をですね,やっておられますが,そういう方たちが休憩するところがないようですね。そういうものにね,もっと細かいところに目を配って,具体的なことをやっていただきたいという意味で,この小さいようなことだけれども,自転車などを無料でですね,貸してあげるとか,そんな金がかかる問題じゃないわけでしょう。そういうふうな一つ一つですね,細かい──きめの細かな行政をやっていただきたい。  市長が国連に行かれるのも,これも大切なことなんですよ。それだけではいけないわけで,それと同時に,そういう市民と一緒になって行動することが必要だと,そういうものが,この次の時代のときにですね,やはり大きく力になっていく要素になると,こういうことを総論として申し上げましてね,幾つか答弁があれば,していただきたいし,後は委員会の方で具体的にやらしていただきたいと,こういうふうに思います。  原爆ドームの関係は,やはり本来これは政治的な判断なんですよね。だから,やっぱり選挙で出た市長がやはりどう判断するかが問題で,助役さんも議会で承認されておるわけですが,やはりこれは行政的な問題でなくてね,政治的にどうとらえるのか,こういう問題だろうというふうに思います。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 幾つか具体的なお話がございました。まず,原爆資料館を見終わった後の冥想をする場所が要るではないかということにつきましては,あの資料館の見終わった後の平和公園側,要するに,慰霊碑側は,あれは冥想の場所ということで位置づけておりまして,静かに考え,静かに冥想していただくという場所でございます。展示のやりかえを行いましても,その部分は,ぜひとも必要であるというふうに考えております。  それから,語り部の人たちの休憩する場所がないではないかというお話でございます。  平和記念館の──記念館のですね,一番東側のあそこの1偕のあの休憩ロビーと申しますが,あれは,まさにそういう意味でつくってるわけでございますので,ひとつ活用いただきたいというふうに思っております。  それから,県の国際交流センターでございますが,県の国際交流センターは,県としては,あれは民活でやりたいということでございまして,いずれコンペ方式かなんかをとって,そして,できるだけ民間活力を使ってやりたいというふうなことをお考えになってるようでございます。私どもの施設との機能競合と申しますが,そういうようなことは,できるだけ避けてお互いに相補完し合うように考えていきたいというふうに思っております。  それから,民間団体との関係がどうも後ろ向きじゃないかということでございますが,国際交流のための民間団体というのは,2国間あるいは多国間の交流団体は,広島市域だけを対象とした団体でなしに幅広く広島県域を対象とした団体が多いわけでございます。したがいまして,県の方でも当然お考えいただかなきゃいかぬということにもなるわけでございます。  もちろん,その場合にも広島市がその活動の中心になってることは間違いないところでございますが,広島市域という限られた地域だけじゃなしに,もうちょっと幅広く県域を対象とした団体が多いわけでございますので,そこらを御理解いただきたいということと,それから,国際会議場については,先ほども答弁の中で申し上げましたが,交流の主役は市民でございますので,市民が活動しやすいような,そういう機能を持たせていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 59番。 ◆59番(山本誠君) どうも歯切れが悪いんですね,室長。当然,国際交流ですからね,広いですよ。広島市内でやっとるわけじゃないんで,世界とやっとるわけですからね。  問題は,そういう団体を広島市がリードしてですね,そういうものをやっていくかどうかいうことなんですよ。それ,広島市だって,国際交流協会──民間団体でしょう,ねえ。だから,そういうものを今後やっぱり検討していかにゃいけないという気持ちになるかどうかなんですよ。  今までと一緒にですね,同じように,そういうものは,民間団体は市の建物の中に入れませんという発想なのか。既に入っておりますね, 交流協会なんかも入っておるわけですからね。しかし,当時は,そういう答弁を議会でされておるから,私が執拗にこれは言っとるわけです。  もっと心を広く持ってですね,やればできることなんですよ。ただでせえと言ってるわけじゃないんです。東京──大阪の国際交流センターは,民間団体に,交流協会,協議会にはですね,ただで施設を貸して大いにやっていただいておるわけですね。そのくらい大阪市は考えておるわけですから,そういう考えを持っていただきたいと,そういうことを要望して終わります。 ○副議長(米田十郎君) 47番桜井康民君。           〔47番桜井康民君登壇〕(拍手) ◆47番(桜井康民君) 公明党を代表いたしまして,昭和63年度予算案並びに諸般にわたる総括質問を行います。  まず,財政問題でありますが,63年度の広島市の予算規模は,総額6,286億7,000万余となっております。そのうち一般会計予算は3,816億7,300万余ということでございます。  この一般会計の伸び率は,対前年比7,6%増という数値を示しております。これは,国の地方財政計画の6,3%を上回る積極型予算となっているわけでございます。市長の並み並みならぬ都市基盤整備並びにその他の緊急かつ重要課題に向けての意欲のあらわれとして評価をいたすものでございます。新年度に計上されております予算が,市民生活によりベターに反映することを強く望むものであります。  ただ,いささか気になってならないのが,財政の伸びに比例して市債,いわゆる借金への依存度がまただんだんと大きくなっているということであります。  新年度予算案は,財調基金や都市整備基金70億円を取り崩して,なお市債が前年比15.5%増の460億円となり,この結果,借金残高は一般会計だけで3,200億円と,55年の3倍近くとなり,新年度の予算規模に迫る勢いとなっているのであります。  一方,国庫支出金は,わずかに前年比2.7%増の592億円余と,大幅な増収は見込めない状態でございます。  さらに,市税収入の伸びは,多くを望めない現状を考えますとき,歳入の見通しは極めて暗いと言えるのではないかと思うのであります。
     で,私は,このように厳しいとしなければならない財政事情の中で,なおかつ広島市の今後における行政需要というものは,またますます大きくなってきているところでございます。その山積する行政需要が,また起債の依存度をさらに拡大するのではないかと危惧するのでございます。  そして,こういった点について,本市の将来において強く危惧される財政事情の硬直化への進行をいかにして調整するのか,これを食いとめる手だてを市長はどのように考えておられるのか,お尋ねをいたしたいのであります。  次に,本四架橋問題についてお尋ねいたします。  数百年来の夢でありました本四架橋計画の3路線のうち,他の2路線に先駆けて児島・坂出ルートが本年4月開通の運びとなりました。これは,自動車道と鉄道併用の世界一の長大橋であり,約10年の歳月と約1兆円の巨費を投じられて完成を見たものであります。  そこで,このルートの開通によって起こると予想されるさまざまな影響をどのような判断のもとに受けとめるべきであるのかという問題であります。  単刀直入にお伺いいたしますと,このルートの開通によって広島市の中枢管理機能はどのような影響を受けると考えられますか。現状維持で余り変わりなく推移すると思われますが,またはマイナス面の影響を受けると思われますか。この著しく重要性を秘める問題について,市長はどのような判断をされているのかお答え願いたいと思うのであります。  また,その対応策について,お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。  次に,国際化という視点の中から数点にわたって御質問をいたしたいと思います。  まず,教育的立場からでございますが,21世紀の新しい時代を担う高校生の国際的視野を広げ,また,昭和69年には,本市で開催されるアジア競技大会を控えて,国際社会に対応できる人材の育成を図る目的から,広島市立高校の海外修学旅行が実施できるよう,その条件整備を進めるべきではないかと,去る12月議会におきまして我が党の鶴見議員が提案してきたところでございます。  その際,教育長の答弁は,修学旅行実施基準の意義や諸般の意見等を踏まえて研究することといたしたいなどと,まことに抽象的あいまいな表現に終始しておりました。  ところが,その後,この問題を取り巻く環境に大きな変化が起きたわけでございます。  その一つは,今年1月19日に,事実上今まで禁止の指導をしてきた文部省が,高校の海外修学旅行の実施について,飛行機の利用を含めてゴーサインを出すなど,明確に方針の転換が図られたのであります。  状況変化のもう1点は,日本航空が,ことし4月から中日路線の運賃値下げと青少年割引運賃の新設に踏み切る予定となっており,中でも修学旅行の運賃は,20%引きという大幅値下げ案が運輸省に認可申請されており,他の全日空や外国航空会社もこれに追随するのは間違いないと言われております。  これらの状況を踏まえまして,公明党広島市議団は,去る1月27日,宮永教育長に対し,修学旅行実施基準の見直しを早急に行うべきであると申し入れを行ったところでございます。  そこで,以下4点にわたって教育長の見解を求めておきます。  1.さきにも触れました高校における海外修学旅行のあり方に対する文部省の新見解を,教育長はどのように認識し,かつ受けとめるのか,御見解を承りたいと存じます。  2.その文部省見解を受けて,広島市立修学旅行実施基準の見直しを,どのようなスケジュールのもとで実施しようとされているのか。  3.従来,毎年行ってきている修学旅行実施基準検討会の構成メンバーに,高等学校代表の校長先生が一人しか加わっておりません。したがって,従来の検討会は,小・中学校レベルの修学旅行を議論する場としては適切と思われるが,高校の修学旅行のあり方を検討する機関としては,構成メンバーから見て非常に無理があると考えられます。これらの不合理な体制を市教委としてどのように改善をされようとしておられるか。  4.近年,全国的に見て,海外修学旅行を実施する高等学校は増加の一途をたどっていると思われるが,公立,私立合わせて62年度にどのくらいの学校で実施したのかお尋ねいたします。  ともあれ,高校の修学旅行の問題については,国際平和文化都市の名に恥じない積極的,先駆的な取り組み方を強く要望しておきたいと思います。  次に,帰国子女の問題でありますが,これの受け入れ体制については万全の体制であるのかどうかであります。  特に,近年増大をしております海外生活者の帰国後の最大の問題点であると伺っておりますが,本市においてはどのような対応をされているのかお尋ねをいたします。  さらに,この件に関連する問題といたしまして,国内における転勤者の子女の場合の受け入れ体制についても,あわせてお答え願いたいと思います。  次に,留学生問題についてお尋ねをいたします。  この件に関しましては,午前中,平野議員また先ほどは山本議員等,若干の質問があったわけでございます。私も,この件につきまして,いろいろと関心を持っているわけでございます。若干角度を変えまして,重複を避けながら御質問を申し上げたいと,このように思いますので,よろしくお願いいたします。  現在,海外では,今,空前の日本に学ベブームであると伺いました。我が国への外国人留学生は年々激増しております。現在,2万2,000人が日本で勉強されているようであります。  政府は,国際化を旗印に,21世紀初めには10万人規模にこの留学生をするという計画だそうでございます。広島では,県下で39カ国358人,広島市には約250人が勉強に来られているようであります。こういった中で数々の問題点もまた起こってくるわけであります。  まず,最大の問題は,経済的な問題であろうと思います。  昨年10月のマスコミの報道によりますと,向学心を燃やして来日したバングラデシュの青年が,埼玉県のとある木造アパートの4畳半で栄養失調で餓死したというニュースがありました。4畳半のアパートには,満足な食事の跡はなく,牛乳の空きパック,インスタントラーメンの空き袋が散らばっていたそうであります。  また,ある中国からの女子留学生は,日本で経済を勉強したいとの一心で,北京のホテルで働いて月給の半分を実に6年間貯金をして,夢を膨らませて日本にやってきたそうであります。しかし,当時100元が1万5,000円だったものが,留学時には半分の7,000円になり,今では3,300円になってしまいました。貯めたお金は,日本までの片道運賃と日本語学校の入学金に充てたらほとんどなくなってしまったそうであります。  こうした例は,枚挙にいとまがなく,中でもアジアからの私費留学生や就学生は,円高と物価高,日本でも高い家賃の三重苦に苦しめられているのが実情であります。3度の食事がインスタントラーメンという例も珍しくないということで,日本で最初に覚える言葉が,「お湯ください」という言葉だと言います。  ちなみに,今月20日付の朝日新聞に,「極貧にあえぐ留学生」という見出しで報道された中に,京都でマレーシア人の私費留学生が,スナック菓子だけを食事として,1日80円で生活をしており,200円のカップラーメンは食べたこともなかったということであります。この人も,結果的に栄養失調となり苦しんでいるようでございます。  そこで,我が広島市における留学生の実態についてでありますが,どのような状態にあるのか,その問題点等についてつまびらかにしていただきたいのでございます。  私は,先日,広島の留学生の実態を少しでも知ろうと,東区にございます財団法人広島アジア文化会館を訪れました。  ここは,留学生の民間宿泊施設としては,県下唯一のものでありまして,昭和44年1月にオープン,建物は鉄筋4階建てで,個室が30室あります。宿泊費は家賃と朝夕2食で月約4万2,000円,それに冬季は重油代を頭割りで等分に負担ということにしているそうでございます。財政運営は,こうしたぎりぎりの生活費からの収入を元手に行われているのが現状であり,備品購入や施設の補修もままならぬ窮状と見受けられました。館長の讃井光子さんは,「建物が建設以来20年近くにもなり,窓枠とか廊下とか修理したいところもたくさんあるんですが,できなくて。」と,即座に対応できない実情を語っておられました。広島で唯一の,留学生にとっては最も恵まれた施設の状態がこの状態なのであります。  私は,この留学生問題について,市は積極的に対応を考える時期が来ていると考えますが,どのようにお考えになりますが,御所見を承りたいと思います。  なお,国際交流の立場から考えても,この留学生たちは,将来のそれぞれの国において指導的役割を果たす人たちであろうと思います。こういった人たちを遇するに,余りにもみじめな実情を看過して過ぎれば,将来の禍根ともなりかねず,深く憂うるものであります。いわゆるこういった人たちを親日派にするのか,反日派にするのかという重要性を思うとき,国際平和文化都市ひろしまの面目にかけても,全国の模範ともなるような施策が打ち出されてこそ当然と思うのでありますが,いかがなものでございましょうか。具体的対策についてお考えをお聞かせ願いたいのであります。  参考までに,全国の各都市で行われております留学生対策の目ぼしいものを二,三挙げておきます。  福岡市の支払い義務なしの短期奨学金制度。それから,家を借りたり病気のとき,学習上の購入品の資金として,無利子の留学生資金貸付制度。  神戸市の神戸アジアセンターの設置。公団住宅を借り上げて留学生に安く提供する住宅対策。国際交流サロンの設置。大学院の私費留学生に月額8万円の奨学金支給。  東京都の中国留学生寄宿舎,日中交流会館を建設──65年完成予定。  以上のようなことでございます。  これら施策の実施について,広島市の前向きの取り組みを強く要望いたしますとともに,適切な対応措置を速やかに実施されますよう強く求めるものであります。  次に,中国との交流についてお尋ねをいたします。  重慶市と本市との友好都市提携が成立以来,各部門における交流が年を追うごとに進んでおります。この現況を心から喜んでいるものでございます。  そういった中で,62年度の9項目の交流協定書に盛り込まれている医療に関する情報・資料の交換という項目についてでございますが,この項目における内容の実施については,現在,どのようになっているのかお伺いいたします。  病院関係者の相互訪問については,62年度に広島市から重慶市に行っておりますが,向こうからは来られていないようでありますし,また,63年度協定書にも書かれていないようであります。このことについて,どのような経緯になっているのか,その事情についてお尋ねをいたします。  県では,四川省との関係で,県立病院を中心に63年度より研修医の相互交流を推進する方向であると伺っておりますし,70年度には東洋医学診療センターの設置を考えておられるようであります。  近年,東洋医学への関心が高まっている状況の中で,他の政令市においても,それぞれ医学研修医の交流または医療行政視察団の交流等をなさっているようであります。  東京都立豊島病院には,63年度より東洋医学専門の外来窓口を設け,診療方法としては,内科等で受け付けた患者のうち,東洋医学での治療の方が効果的と思われる人を受け付け,漢方薬を処方するというものであります。  広島市も,21世紀に向けて,高年齢者時代を迎えるわけでありますし,高血圧など慢性的疾患が増加しつつある状況の中で,対症療法のみに依存する方向を若干修正し,体全体の有機的なかかわりの中で疾病を把握されると言われる東洋医学,すなわち自然の生命の神秘さに驚き,自然の持つ調和を人体に模索して発展してきたと言われ,患者の訴えや症候から全身の状態を把握して治療方針を定めると言われる東洋医学の導入を考えてみられたらどうかと思うのであります。  そこで,その取り組みとして,市立病院にそれぞれ専門の外来窓口を設けることを検討されてみてはいかがでしょうか,前向きの御回答をいただきたいのであります。  そうして,医学を通しての交流がさらに進められていくことによって,友好都市のきずながまた一段と強まることを,心から願うものであります。  次に,重慶市との交流の成果の一つに,動物の交換がございます。友好を深める上で非常に効果的なことであると評価をいたしておりますが,その動物の交流の中で,昨年の秋,広島市から重慶市に贈られた2頭のキリン,スバルとローデシアが,重慶市の市民の中にあって,特に子供たちなどにどのようにかわいがられているか,その近況について,そしてまた,重慶市から広島市に贈られましたレッサーパンダが,広島市民にどのような交流の成果をもたらしているかを,両市がビデオに収緑して交換すれば,なお深く親密度のある交流の持続へとつながるのではないかと考えますが,いかがなものでしょうか。  点であった交流を,このような方法で線に変えていく努力をすることが,これからは必要なのではないでしょうか,当局の御所見についてお聞かせ願いたいと思います。  昨年の秋,そして,ことしの初め,RCCで放映された「キリンの長い旅」は,この番組を見た多くの市民に深い感動を与えました。その後のスバルとローデシアについて,いま一度市民の皆様に近況について映像でお見せできるようにすれば,また一段と国際交流の密度が増すことにつながると思います。  このキリンの出発の折に,荒木市長が送別の辞の中で,昭和の遣唐使としてその重大さを述べておられましたが,そういった期待をも含めて意義あることと存じますので,ぜひ実施していただきますよう最後にお願いいたしておきます。  以上,それぞれの質問に対して答弁漏れのないよう前向きの御答弁をいただきますことを強く期待いたしまして,私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(米田十郎君) 市長。           〔市長荒木武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの桜井議員の御質問に,新年度予算について御答弁申し上げます。  本市が,21世紀に向けて世界に誇れる都市として発展するためには,道路,交通,下水道等の都市基盤の整備をこれまで以上に積極的に進めるとともに,地域経済の活性化,教育・文化の振興,福祉の増進など,緊急かつ重要な諸問題に積極的に取り組む必要がございます。  こうした観点から,昭和63年度の予算編成に取り組んだところでございますが,御案内のように,市税収入の伸びがほとんど期待できないなど,今日の厳しい財政環境下で積極的に事業を推進するためには,地方債を活用した財政運営もやむを得ない状況にございます。  しかしながら,御指摘のように,地方債の元利償還金は,将来の財政構造を硬直化させる原因ともなりますので,その活用に当たりましては,財政の健全性の確保に十分留意する必要がございます。  昭和63年度予算におきましては,実質的には国庫補助金であるNTT資金による公共事業債,さらには地域総合整備事業債等,地方交付税で償還財源が措置される地方債を重点的に導入するなど,将来の財政連営に支障を来さないよう留意いたしたところでございます。  今後の財政運営に当たりましても,事務事業の見直し,一般行政経費の徹底した節減合理化を行いますとともに,市税,使用料・手数料等の自主財源,国庫補助金等の特定財源の積極的な確保に努めながら,財政構造の硬直化を来さないよう,引き続き努力してまいりたい,このように考えているところでございます。 ○副議長(米田十郎君) 市長室長。 ◎市長室長(池田正彦君) 留学生問題で幾つか事例をお挙げになっての御質問でございます。  まず,留学生の状態がどのような状態になっているのかというお尋ねでございますが,広島地域には,39カ国,358名の留学生が,広島大学,広島女子大学,修道大学,電機大学,四つの大学で学んでいらっしゃるわけでございます。  そのうちアジア地域からは14カ国,298名,83%の方がアジア地域からお見えになっておるということでございます。  358人の中で,国費留学生,これは全員日本政府の奨学金が出ている留学生でございますが──が,191名,外国政府が派遣したものが52名,私費留学生が115人というふうなことになっているわけでございます。国費留学生は,当然のことながら日本政府の奨学金が出ているわけでございますが,私費留学生115人の中で,何らの形で奨学金を受けている者が44人というふうな状況でございます。  経済状況等を見ましても,収入状況を見ますと,国費留学生は,1カ月の収入が17万円以上の収入があるという者が95%以上を数えているわけでございますが,私費留学生は,1カ月の収入が5万円から9万円までの収入というのが56%,5万円以下しか収入がないという者が20%というふうなことでございまして,特に私費留学生が大変厳しい状況になっているということがうかがえるわけでございます。  課題は何かということでございますが,生活費の問題とそれから宿舎と申しますが──が,問題であろうというふうに思っております。  いずれにしましても,午前中,平野議員にも御答弁申し上げましたように,留学生の生活実態がどうなっているのか,これをきっちり把握をするために,そして,将来の留学生の交流推進方策を策定するために新年度所要の予算措置をお願いしているところでございます。  留学生の生活あるいは学業,交流実態あるいはそれらに対するニーズの把握とか,留学生問題にかかわるものとしては,大学,県あるいは民間企業・団体等,幾つかあるわけでございますが,そこらの意向調査あるいは他都市の事例などを参考にしながら,留学生対策の基本的な方針を立てていきたいというふうに思っております。  なお,この検討に際しましては,広島大学の,先ほどお話しございましたが,大学の移転の問題等もございますので,それらを踏まえた短期的な対策と国際情報工科大学あるいは国際開発大学の誘致等を踏まえた長期的な対策というふうなものも考えていかなきゃならぬというふうに思っております。  また,広島地域の留学生問題を協議するために,昨年12月に,大学,行政,民間交流団体等で広島地域留学生交流推進会議というものが発足をしておりますので,この会議の場でも十分議論,調整しながら役割分担を明確にしてまいりたいというふうに思っております。  大変困っている実態等を踏まえて,緊急な具体策をというお話でございましたが,留学生に対する生活対策と申しますが,学資援助につきましては,先ほど申し上げた国費によるもののほか,午前中も御紹介しました熊平奨学会あるいは鶴奨学会といったふうなところが,幾らか学資の援助等,奨学金を出しておりますけれども,他都市の事例等も幾つか例に挙げられました。そういったところを参考にしながら,財団法人の国際交流協会において前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) 本四架橋児島・坂出ルートの開通によって,広島市の中枢管理機能はどのような影響を受けるかという御質問にお答えいたします。  結論的には,現時点では,広島の経済的中枢性については大きな変化はないと,このように考えております。  その理由といたしましては,まず一つには,経済的中枢性の目安となります卸売販売額が広島県が中国地方全体の53%を占めておりまして,岡山県との差はまだまだ大きいこと。  二つ目には,県外に本社を置く企業の支店,営業所の数は,広島市が5,502社,岡山市が2,688社,これは61年度の事業所統計の結果でございますけれども,そういう実態になっておりまして,瀬戸大橋開通に伴いまして,こうした大きな組織を再編する動きはまだ出ていないこと。  3番目には,支店経済の広島は,山口県,島根県を経済圏域としてとらえていると言えますけれども,岡山は四国の支店経済でございます香川県との結びつきもまだ弱く,自県以外に経済圏を持っていないこと。  四つ目には,山陽自動車道や山陰の鳥取,島根から瀬戸大橋に至る高速道路,それから四国内の交通道路が開通していないために,瀬戸大橋の開通で現時点では物の動きがそう急に変わることはないというふうなことが,その理由でございます。  しかしながら,本四架橋が将来に向けまして,地域を活性化させる大きな基盤となることは間違いございませんし,また,高速交通網の発達で東京や大阪の吸引力がますます強くなることも予想されるところでございます。  こうしたことから,本市といたしましても,今後,中四国地方における拠点性を維持し,今後さらに高めていくためには,陸,海,空にわたる広域的な交通ネットワークの整備,具体的には山陽自動車道,中国横断自動車道,広島浜田線,尾道松江線,それから本四架橋の尾道・今治ルートの整備促進あるいは広島港における港湾機能の強化,特に外貿機能の強化,それから広島空港の整備など,広島を中心としたおおむね2時間交通ネットワークの実現を図る必要があろうかと思います。その他,情報基盤の整備,高次教育・研究機能など,中枢管理機能の強化,そういった,いわゆる100万都市として持つべき機能のトータル的な集積と,こういうことをやっていく必要があると,このように考えております。 ○副議長(米田十郎君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 中国との動物交換に関する御質問についてお答え申し上げます。  御高承のとおり,重慶市との動物交流につきましては,昭和62年度に広島市からキリン2頭とフラミンゴ16羽を贈り,重慶市からレッサーパンダ3頭の贈呈を受けるとともに,金絲猴を借り受けて,これを展示し,市民に好評を博したところでございます。  また,昭和63年度には,重慶市のアカゲザル3頭と広島市のドグェラヒヒ3頭を相互に交換することといたしております。  御提案のありました両市が贈呈した動物のその後の状況や市民に親しまれている姿をビデオに撮って交換することは,両市の動物交流を一層深める上で大変有意義なことだと思われますので,重慶市と協議をいたしまして,その実現に努めたいと考えております。 なお,もし実現をいたしますれば,昨年建設をいたしました動物科学館のビデオコーナー等において上映してはどうかなというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 教育長。 ◎教育長(宮永聰夫君) 高校生の修学旅行について4点のお尋ねがございました。  まず第1点,文部省の見解に対するお尋ねでございますけれども,広範な地域にわたるさまざまな学校を対象といたします国という次元では,規制というものは最小限にとどめるべきではないかと思われますし,また,修学旅行をめぐる環境条件には大きな変化もあるわけでございますので,そういう観点から今回の見解は評価しておるところでございます。  その次,修学旅行の実施基準の見直しスケジュールでございますけれども,けさほど御答弁申し上げたことと重なりますが,検討のための会は3月に発足させて,5月ごろには結論を得たいというふうに考えております。
     次に,検討するメンバーについてでございますけれども,高等学校につきましては,小・中学校とは別個に,高校関係者を主とする編成で行うことといたしております。  4点目,海外への修学旅行の実施校数についてでございますが,昭和62年度の資料はまだ入手し得ませんので,昭和61年度について見ますと,公立の高等学校で,熊本,福岡,長崎,山口4県で計5校が実施しております。なお,私立を含めますと,その数は133校となります。これについては県別が把握できておりません。  次に,帰国子女の受け入れについてのお尋ねでございました。  帰国後の適応ということをいろいろ配慮いたしまして,本市としては昭和55年から小学生,中学生,それぞれを対象とした帰国子女学習教室を設置いたしまして,専任教師による特別な指導を実施しているところでございます。  なお,高等学校につきましては,公立高校2校に特別枠が設けられているほか,国立及び私立の一部においても受け入れが図られているところでございます。  また,国内における転勤に伴う高校生の転入につきましては,年度途中の分についてでございますけれども,各高等学校で可能な範囲で,できるだけの受け入れを図るように指導し,努めているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 市民病院事務局長。 ◎広島市民病院事務局長(小笠原大昭君) 中国との医学交流についての御質問にお答えいたします。  重慶市との医学交流につきましては,御指摘のとおり,1987年──昭和62年の友好都市交流項目協定書の中におきまして,「両市は,医療に関する情報及び資料等の交換を行い,また病院関係者の相互訪問の実現に向けて努力する」ということで同意をいたしております。  これを踏まえまして,昨年10月に両市の友好1周年記念式典出席のための本市訪中団の一員として,安佐市民病院長が重慶市を訪問されたところでございます。  その際,同病院長が本市との医療交流を熱望しております重慶市の第3人民病院を訪れ,医療事情を視察するとともに,関係者と懇談をしまして,今後の交流につきましては,窓口を定めて話し合いを重ね,具体化に向けて努力するということで双方が了解しているものでございます。  また,このほかに各病院の事業概況の資料等の交換も行っておるところでございます。  いずれにいたしましても,友好都市交流を増進し,より成果あるものにするためには,両市の医療事情の現状を相互に理解することが最も重要なことであると考えますので,今後具体的な交流方法につきまして,関係方面と協議をしていきたいと考えておるところでございます。  なお,民間交流の一環といたしまして,重慶市の第1人民病院の外科医の方が,市内の民間病院において2年間の予定で医学交流を行われておるところでございます。  次に,東洋医学専門の外来窓口の設置についてのお尋ねでございますが,我が国の医療体系は,御承知のとおり,西洋医学を主流としたものでありまして,その中にあっても,既に多くの漢方薬処方が保険医療に採用されておりまして,各専門診療科におきまして,それぞれ使用されているところでございます。その使用量につきましては,個々の医師の漢方薬に対する関心の程度によってまちまちでございます。そういったことが実情であろうかと思います。  しかしながら,最近では,我が国の医学界の中におきましても,東洋医学の有用性が発表されるなど,次第に関心も高まりつつあるものと認識をいたしております。  したがいまして,本市病院事業におきましても,御提案の趣旨を踏まえまして,先進他都市の病院の状況等をよく調査をいたしまして,将来の課題として検討してまいりたいと,このように考えておるところでございます。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 47番桜井康民君。 ◆47番(桜井康民君) たくさんもっとお尋ねをいたしたいこともございますが,あとは予算委員会に譲るといたしまして,1点だけ再質問さしていただきます。  修学旅行──海外の高校生の修学旅行についてでございますが,5月までにスケジュールを検討して定めると先ほど御回答があったわけでございますが,ということは,この海外修学旅行をやるという前提でそのようにお答えになったかどうかをお聞きしたいと思いますが……。 ○副議長(米田十郎君) 教育長。 ◎教育長(宮永聰夫君) 必ずしもそのことを前提にいたしておりません。(笑声)白紙の立場で検討いたします。  ─────────────────────────────────                休憩宣告  ───────────────────────────────── ○副議長(米田十郎君) この際,暫時休憩いたします。              午後3時28分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~              午後3時58分開議              出席議員 42名              欠席議員 22名 ○副議長(米田十郎君) 出席議員42名であります。  ─────────────────────────────────                開議宣告  ───────────────────────────────── ○副議長(米田十郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続き総括質問を行います。41番前本一美君。           〔41番前本一美君登壇〕(拍手) ◆41番(前本一美君) 休憩中に我がクラブで,ええ役者が──ええ役者は,出が遅いんだから頑張るようにと激励を受けましたので,頑張りますので,よろしくお願い申し上げます。(拍手)  まず,交通問題について,お尋ねいたします。  広島市議会が開会されて,そのたびごとに交通問題が取り上げられ,非常に市民の要望が高いことは,いまさら言をまつまでもないと思います。  昭和60年度広島市道路交通量実態調査によると,主要道路における昼12時間の旧市内への流出入自動車総数は,大型,普通車合計で28万5,265台であります。このうち,混雑による交通停滞に巻き込まれる車両は,全体で16.74%で4万7,753台となります。この渋滞とは1キロメートル以上の渋滞のことをあらわしているので,現状はまだまだひどく厳しいと考えます。  これを時間に計算しますと,時速40キロで1キロメートルを走りますと,約1キロ走るのに1分30秒ぐらいですが,渋滞になりますと,三,四十分が相場でございます。1台当たり1日に約30分の時間が損失になり,これを全体の数にしますと,2万3,876時間,計算方法はいろいろあると思いますが,単純に安く見積もりまして,時間当たりの生産性を3,500円と計算してみますと,1日当たり8万3,000──ああ失礼しました。1日当たり8,356万6,000円となり,1カ月稼働し──1カ月25日稼働し,停滞いたしますと,実に20億8,915万円の損失となります。これだけの損失が1年間続きますと,240数億円になります。だから,市民の不満が大きくクローズアップされておると私は思います。  一人一人に直しますと,30分か40分の損失でございますが,計算してみますと,実に大きな金額です。どっかの市町村の1年間ぐらいの予算に匹敵する停滞損であると私は考えます。  これら朝の渋滞場所18区間,夕方の停滞6区間の整備は,最も急を要する問題と考えます。  そのうちの一つ,己斐松山線は,2.5メートルの──2.5キロメートルの渋滞で通過時間が四,五十分必要でありまして,しかし,昨年春,山陽本線己斐跨線橋を1車線増設いたしましたところ,所要時間が半減または,それ以下となりました。大変皆様方から大変喜ばれているところであります。  西広島バイパス,国道2号広島高架道路の必要性,整備計画のうちの全体計画第1期整備計画が昨年10月,建設省中国地方建設局,広島国道工事事務所,広島市の3者によって発表されました。市民は大変期待して待っているところでありますが,現在までの進捗状況を示してくださいますようお願いし,一日も早く完成するよう強く要望するところであります。  広島南道路建設と広島空港の問題でありますが,昨年,広島市が調査されたと思います南道路南観音地区の建設については,沈埋工法で都市計画決定され,数百億円必要であると聞いております。  去る2月16日付中国新聞報道によると,今年3月,新岡山空港開設に伴って,当初廃止する予定だった現岡山空港を改めて存続させる決定を運輸省が示したと報じております。  広島市民の大多数の方々が現広島空港の存続を望み,また,新しい時代に対応すべくコミューター空港としての位置づけ等を考えながら,現空港と南道路建設ルート,建設方法の決定等,早急に基本計画を示す必要があると考えますが,いかがなものでございましょうか,御答弁をお願いいたします。  通告をいたしておりました国際交流のうちの留学生の問題,また,重慶市との医師の交流の問題は,先ほど平野,山本,桜井議員の御答弁をよしといたしますが──もって,よしといたしますが,要は,検討ばかりでなしに実行することが大変重要であると思います。また,そうすることが,市民にとっても非常に意義があると考えますので,答弁要りませんが,実行することを強く強く要望して,この質問は省かしていただきます。  昨年の6月議会におきまして,我が自民クラブ兼桝幹事長が質問いたしました平和公園の花木の苗木を世界に広げる運動について再質問いたします。  その折の川村都市整備局長は,答弁の中で「今後の研究課題とさしていただきたいと思います。」と発言があったわけですが,我がクラブ独自で研究いたしましたところ,平和公園の中には70種類,1,600本の樹木が一つ一つの思い出をしっかりと大地におろし,平和を求めて育っている姿は大変美しい限りであります。この中には,挿し木によって苗木をつくるのが非常に簡単な植物,また,種をまいてふやす植物等があります。これらの植物の中から,目的達成のため研究を行えば,少額の費用で3年ないし4年後には配付することができるはずです。当面,修学旅行生に学校単位ででも荒木市長の平和メッセージを添えて届けることができると考えます。再度,前向きな御答弁をお願いいたします。  次に,下水道整備について質問いたします。  広島市も,数年来積極的に取り組まれ,大変大きな成果を上げられたことに対し,高く評価いたすところでございます。市民が衛生的な生活をする上で,必要欠かせざる設備であります。一日も早く100%の普及率となるよう希望し,また,達成に向けてお手伝いもしているところであります。そうした中から,二,三の問題に突き当たり,お尋ねいたします。  この質問は,我が自民クラブと自由民主党両党の政策研究会でも取り上げられているところであります。  質問に入ります。  一つ,私道の無償使用契約による公共下水道の排水施設布設要綱によりますと,「(対象となる私道)」で, 「(1) 原則的な場合  道路の幅員は,4.0メートル以上で,公道から公道を結ぶ私道であり,行き止まりの道路でないこと。  (2) 例外的な場合  道路の幅員が,4.0メートル未満の場合でも,既に両側に家並みが建ちこんで拡幅困難な状況であり,かつ,幅員が1.8メートル以上で公道から公道を結ぶ私道であり,行き止まりでないこと。  (3) 道路の幅員が1.8メートル未満であっても,公道から公道を結ぶ私道であり,かつ,別表に定める基準のいずれかに該当するもので,当該私道に排水施設を布設することが当該事業の施行上やむを得ない」「行き止まりであっても,次のいずれかに該当し,かつ,現に周囲に家屋が連たんして建築されているもの。  ア 行き止まり部分がロータリーその他の広場で,交通上支障がないと認められるもの。ただし,ロータリーその他の広場を設置することが,地形上その他の理由により困難であると認められる場合は,この限りでない。  イ 行き止まり部分が学校,保育園,公園,河川その他の公共施設又は公共施設に類する施設に接続しているもの。  ウ 道路が設置された際施行されていた建築基準法(昭和25年法律第201号)第42条第1項第5号の規定に基づく道路(以下「位置指定道路」という。)の基準におおむね適合しているもの。」 と規定されています。  一方,公図上,里道,水路として記載がされていると,現状は大変狭い60センチないし90センチメートルぐらいであったり,また,行きどまりの小路でも広島市で整備をしてくれます。  この両者の差が大変大き過ぎます。これについて,いま1度研究をして,私道についても,通称,赤線,青線と言っておりますが,公図上,里道,水路並みになるよう強く求めるものでございます。  また,お手伝いの中から問題が生じておるところがありますが,表現が難しいので,図面を使って,ちょっと説明させていただきます。(図面を使って説明)  下水道局長さんの方に──ちょっと済みません,片方を……。  (書記,図面の片方を持つ)これは,青線を示しております。こちらは赤線を示しております。水路,里道を示しております。で,ここの間は,現状は,道路,水路が通っております。しかし,公図上はございません。で,また,下にあるわけです。で,こういうことが随所にあるわけです。  どうして,こういうことが起きておるかといいますと,調べますと,以前は,この区間を一人の地主が所有しておったと,で,以後,その後,ぼちぼちと売ったり等をして持ち主が変わっておると,しかし,手続をしていなかったために,ここの間は,現状は道路を水路として使っておりますが,公図にないから,だれも整備してくれないわけです。こういう問題も実際はたくさんあります。  これについても先ほどの──(書記,図面を返す)あっ,済みません。差をなくしていただくようなうちの研究課題にぜひ取り入れてくださいますようお願いをしたいと思います。  で,仮に,これを自分の費用で分筆をしたりして下水道整備をしていただくためには,公図訂正等の手続がありまして,大変時間とお金がかかって,やりかけては投げてしまうのが現状であります。  ひとつ,そういう点を再度勉強していただきまして,もうそれは公図に載っとらぬからやらぬのよと言わぬように,ひとつお願いをするところでございます。  次に,広島市私道内排水設備布設工事費補助金交付規則制度を利用して整備された中で,もう10年以上を経過して問題が発生しております。漏えいであるとか,管の破損であるとか,詰まりであるとか,また,平生の清掃費,維持管理費であるとか,いろいろあります。  このことについては,公的施設と私物施設の間で大きな差が起きないように研究をしてくださり,機能維持のための補助金制度の新設とか,設備完了後の点検管理等は公費で行うとか,今後の問題として強く提起をいたしておきます。済みません。風邪を引いておりますので……。  最後でございますが,アジア大会開催に関する質問であります。  これは,アマチュアスポーツを公平に競技することを通じて,アジアの若人の間に国際的敬愛と親善を促進させることを目的としたアジア諸国のスポーツの祭典であります。大変大きな意義を持っておりますことは,今さら申し上げることはないと思いますが,市民全員が協力して成功させるよう,行政の指導を求めるものでございます。  まず,受け入れ体制でありますが,競技役員──審判員とか,競技関係役員とか,運営関係役員とか,補助役員等は何名ぐらい予定しておられますか。また,参加選手は何名ぐらいの予定ですか。報道関係者は何人ぐらい来広するでしょうか。これら大会開催に必要な方々の宿泊施設の方法についての方針を示していただきたい。また,開催中,外国や国内からのお客さん等の宿泊は一体1日に何人ぐらいを見込み,現在の広島市の宿泊可能人数はどのぐらいでしょうか,お尋ねいたします。  次に,競技・施設面でございますが,現在までに計画ができた競技種目,競技場を発表してください。  その中でゴルフ場は,民間施設を借り上げ開催されると思いますが,ここでひとつ第12回アジア競技大会記念市営ゴルフ場を建設し,後世に長く開催意義を伝えることは,大変市民から喜ばれると思います。  昨年の年間ゴルフ場利用者数は,広島県で約160万人弱であります。このうちの大半は,広島市民の利用と考えます。やがて迎える高齢化社会の健康管理の一環として,また,青少年健全育成の一助として,ゴルフ場の位置づけをして,公営ゴルフ場の建設を強く求めますが,どうでございましょうか。  昨年,米国を視察いたしましたら,アメリカでは公営ゴルフ場がたくさんございまして,非常にプレー費も安く,市民が楽しんでいる姿を見て,非常にうらやましいなあと思いながら帰ったような次第でございます。(笑声)  次に,西部丘陵都市と広島市を結ぶ広島沼田道路計画でありますが,アジア大会開催までには完成さす必要があると考えますが,現在までの状況を具体的に発表してください。  特に,アジア大会までに完成さすためには,大変な努力が必要と考えます。特に,資金面でありますが,私は,NTT株式売り払い収入を活用した無利子貸付制度を利用されることを強く勧めます。  この制度は,御承知のとおりA,B,Cの3タイプがあり,このうちAかBタイプに広島沼田道路は当てはまり,早急に取り組まれることを強く望み,考え方を示されるよう求めます。  また,アジア大会開催中に日本盆栽展を開催するよう提案するものであります。  盆栽は,日本人が自然を愛するゆかしい心のあらわれとして,命ある植物や雅趣に富む石を使い,作者の創造意欲を燃やして,これに取り組み,長い年月にわたって植物の命を大切にし,それぞれの植物の特性を生かして盆上に育てるために,日々深い愛情を込めて世話をしている間に体得した植物の生理に基づく培養技術をいろいろに使って創作される日本の伝統的な造形芸術と考えます。  過去の国際的イベント東京オリンピック大会,日本万国博覧会等においても期間中の展示が行われ,世界各国から集まった人々に対して,日本独自の芸術を強く印象づけ,国際性の向上を図ったことは,皆様御承知のとおりであります。  私の生まれ育った己斐の町は,植木の町として世界的に有名となった己斐町を今日あらしめた恩人は,初代浅野長晟公が広島藩主として入城した際,今の大阪・池田市に住んでいたボタンづくりの名人で,牡丹屋こと下村次郎兵衛──次郎衛門,失礼しました,下村次郎左衛門を連れてきて,同人が選んだ花卉,植木の最適地,己斐城下で盆栽づくりを始めたことによると言われております。  400年の歴史を持っている関係から,特に関心が強く,心から愛情を込めて盆栽展開催をお願いする次第でございます。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(米田十郎君) 市長。           〔市長荒木武君登壇〕 ◎市長(荒木武君) ただいまの前本議員の道路整備の基本的な考え方と広島沼田道路の早期整備について御答弁申し上げます。  本市は,中四国地方の中枢都市として,一層飛躍し,活力のある広島を実現するために,道路交通網の整備を最重点課題として取り組んでいるところでございます。
     本市を取り巻く道路事情は,今年中には市域内の高速自動車国道が全線開通の予定でありまして,本格的な高速道路時代を迎えようとしております。  これを軸に都市の骨格を形成する道路としては,国施行の祇園新道,可部バイパス,東広島バイパス等がありまして,これらの整備については積極的に協力し,また,本市としても,東野大塚線,霞庚午線等の幹線道路を初めとする道路網の体系的整備を鋭意進めているところであります。  引き続いて整備に着手する必要のある道路の中で,特に,広島南道路は,本市の東西を連絡する重要な道路でありまして,この推進を図ることは焦眉の急であると考えております。  このため,現在,宇品──海田間については,都市計画決定の準備に入っており,また,新年度から,観音井口線として都市計画決定されている太田川放水路渡河部については,早期整備に資するための調査及び沿線の市街地の整備計画調査を本市が行い,広島南道路の事業着手に向けて先導を図ろうとしているところであります。今後とも国・県と協力し,早期整備が図れるよう努めてまいりたいと考えております。  次に,広島沼田道路は,広島西部丘陵都市及び本市北西部にとって,都心部と連絡する主要な道路であり,特に広島西部丘陵都市の建設促進を図る上で大きな役割を担うものと考えております。  このため,これまで種々の調査等を行い,現在,ルートの選定を行っているところでありますが,都心側のルート選定,交通処理等,解決すべきたくさんの課題がございまして,その検討を進めているところであります。 今後は,環境影響調査を実施し,できるだけ早く都市計画決定を行うこととし,当該都市建設と整合を図りながら,事業を進めてまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても,都市基盤の根幹となる道路整備については,積極的に取り組んでまいる所存でございます。  以上。 ○副議長(米田十郎君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(石橋正行君) アジア競技大会関連の質問にお答えいたします。  まず,受け入れ体制についての御質問でございますが,参加選手・役員,競技役員及び報道関係者の数につきましては,これまでの事例等を参考にしながら,一応,参加選手・役員が約7,000人,それから,競技役員が約6,000人,報道関係者が約3,000人と予測いたしております。  次に,宿泊施設についてでございますが,基本的には,選手・役員は選手村で,競技役員,報道関係者につきましては,ホテル等の利用を考えておりますが,このうち大きな課題でございます選手村の整備につきましては,過去のいろんな大会の事例等を参考にしながら,さまざまな手法を含めまして,現在,鋭意検討を進めておるところでございまして,63年度において,宿泊対策,基本──選手村整備の基本計画を策定すると,このようなスケジュールにいたしております。  また,大会期間中に国の内外から広島を訪れる観光客数及び1日当たりの宿泊者数の見込みについてのお尋ねでございますが,観光客数やあるいは宿泊施設,いや,宿泊者数は,今後,大会運営に当たりまして,観客の輸送対策,宿泊対策あるいは市民レベルでの接遇対策の面で重要な要素でございますので,現在,さまざまなケースを想定しながら,65年度までには一応の見通しを立てたいということで作業を進めることにいたしております。  なお,広島市内のホテル等の宿泊可能数は,62年末で約1万2,000人でございまして,また,周辺を含めた広島地域,具体的には,広島市,呉市,江田島町,廿日市町,大野,湯来,宮島町の2市5町でございますが,この範囲で約1万7,500人,このようになっております。  次に,競技会場の関連と盆栽展の開催についてでございます。  御承知のように,現在,沼田町にメーン会場である広島広域公園陸上競技場,この中には,第1球技場,第2球技場等がございます。また,牛田浄水場の跡地に総合屋内プールをアジア大会の開催を目的といたしまして,国際競技施設の設置基準に基づいて整備を進めているところでございます。  したがいまして,これらの施設に対応する競技は,当然ここで実施することになろうかと思いますが,その他の実施競技及び競技会場につきましては,この5月に組織委員会の中に競技施設専門委員会を設置いたしまして,年内を目途に取りまとめを行うこととなっておりますので,御理解をいただきたいと思います。  次に,広島アジア競技大会の期間中に盆栽展を開いてはどうかという御提案についてでございますが,アジア競技大会ではスポーツ競技の実施にあわせまして,芸術展示を行うことが義務づけられております。  したがいまして,御提案の事柄につきましては,芸術展示との関係も検討する必要があろうかと思いますので,一つの御提案として承っておきたいと,このように考えております。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 都市整備局長。 ◎都市整備局長(川村尋男君) 苗木の配付についてのお尋ねにお答え申し上げます。  昭和61年度には,修学旅行やグループ旅行で約3,600団体の学生さんが平和公園を訪れておられます。こうした団体を単位として,平和記念公園の花木の苗木を配付したらどうかと,こういう御指摘でございますけれども,ごく小さな苗木を育てるためには,水やりなど適切な管理が必要である上,成木になるまでには相当な期間がかかるなどの問題がございます。  こうしたことから,どの程度の希望があるか現在わかっておりませんけれども,昭和63年度に試験的に少数の苗木を育て,昭和66年度ごろに一部これを配付して,反響を確かめてみたらどうかというふうに考えております。  なお,配付の方法などにつきましては,今後,研究を──検討をしてまいる所存でございます。  以上でございます。 ○副議長(米田十郎君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 国道2号の高架の早期整備でございますけれども,この国道2号線は,本来,広域的な通過交通,それからまた,都市圏内外の交通を処理するための主要な幹線道路でございますけれども,本市の中心部を通っておりますために,都市内交通あるいは沿道利用といったものの交通が混在しておりまして,主要幹線道路としての機能が著しく低下しておるということでございます。  このために,御指摘の国道2号高架の延伸につきまして,急いでおるわけでございますけれども,当面の課題でございます観音交差点の交通混雑の緩和等,交通の円滑化を図りますために,暫定2車線で供用されております1.5キロメートルの4車線化,それからまた,新観音橋西詰めまでの2車線,約400メートルでございますが,これの延伸といったことを行うことといたしまして,現在,建設省において設計中でございます。  これを受けまして,昭和63年度から工事にかかりたいというふうな予定で考えておりまして,本市といたしましては,地元対応など積極的に協力をいたしまして,早期に着工できるように努めてまいるといった考え方でおりまして,現在,地元説明に入りますための準備をしておるところでございます。  それからまた,広島沼田道路の整備につきましては,これは,膨大な事業費を必要といたしますので,通常の公共事業のみの費用では非常に長い時間がかかるといったことから,御指摘のNTT株の売り払い収入を活用する制度,また,民間資金の活用等といったものも考慮した事業について,今,現在,検討を行っておるところでございます。  これを受けまして,具体的な事業手法の決定を行いまして,早期整備が図れるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(米田十郎君) 下水道局長。 ◎下水道局長(青井靖夫君) 私道の無償使用契約による下水道の整備がされているが,この契約に当たり,条件とされている道路幅員等の基準の緩和を図ることができないか,また,私道整備補助により整備された下水管の清掃を公費で行えないかについてお答え申し上げます。  公共下水道の整備に当たっては,下水管は,公道は公費で布設し,私道については個人の負担で整備することを原則としておりますが,公共下水道の利用促進を図るため,私道については,私道の無償使用契約による公共下水道の排水施設要綱により基準を設け,議員が申されました条件を満足するものについては,無償契約を結ぶことにより,公共下水道として公費で布設しております。  その他については,排水設備として個人が設置することとし,整備する際,工事費の3分の2を補助金として交付するという二つの制度により実施しているところであります。  御指摘の無償使用契約により公費で布設する際の道路幅員等,基準の緩和については,より一層,公共下水道利用促進が図られるよう現在鋭意検討をしているところであります。  次に,私道整備補助によって整備された下水管の清掃等の維持管理については,これらの施設が個人財産であるため,現在のところ,公費で清掃等は行っておりません。また,他の政令都市においても公費による──公費負担による清掃等の実例はございません。御理解願いたいと思います。  なお,清掃業者の仲介等については,今後とも積極的に取り組んでいく所存でありますので,御理解賜りたいと思います。  以上です。 ○副議長(米田十郎君) 教育長。 ◎教育長(宮永聰夫君) 公営のゴルフ場を建設する計画はないかというお尋ねでございます。  御指摘のように,近年ゴルフを楽しむ市民は一段と増加いたしまして,その普及が著しいことはお説のとおりでございますけれども,本市における社会体育施設整備の現況は,子供から高齢者まで,より幅広い年齢層,より広範な市民がいつでも手軽にスポーツ活動ができるようにということをねらって,スポーツセンターや運動広場の整備に努めている段階でございますし,ひとつこの点の御理解をいただきたいと思います。(笑声) ○副議長(米田十郎君) 41番前本一美君。 ◆41番(前本一美君) 済みません。広島沼田道路は,アジア大会までにつくる意欲を持って取り組むのかどうかいうのを聞いたんですが,その辺の答弁がなかったのをひとつ。  まあできる範囲でぼちぼちやるんよいう方法と,もうアジア・オリンピック大会までには,もう一緒に,アジア・オリンピック大会の施設の一部ぐらいに考えて取り組むぞというところを再度御答弁いただきたい。  盆栽展,ひとつやっていただけると理解しますんで,ひとつよろしくお願いします,応援いたしますので。  最後に,下水の問題は,今度,委員会でやらしていただきます。  鋭意努力,鋭意努力という言葉が全体的に多いですね。ありゃ,もう一般社会で許さりゃあしませんよ。こういうことは,いついつまでに検討して,いついつまでに方針を立て,いついつまでにやってしまいますと,こうやらぬと困りますね。  もう鋭意努力,鋭意努力,役所の逃げ言葉のように聞こえて大変残念ですが,ひとつ今後の答弁においては,今月中に調査研究し,検討──諮問委員会へ来月かけて,予算は来年とって,その次に実行しますというような答弁に切りかえていただきたい。皆さん,そう思われませんか。(「そうじゃ」と呼ぶ者あり)そうですか,ありがとうございます。  そうして,最後でございますが,ゴルフ場いうのは全く夢のようなこというて教育委員会から答弁してもろうたんじゃ,ちょっと私も言いにくいんですが,市長さん,あなたにいただきたかったですね。市長さん,長い間,市長を務められて,大変お年もとられたんですが,(笑声)考え方は若いのう,さすがは荒木さんじゃと,21世紀を見込んだ施策を発表されるわいと,こういうような考え方でもって夢のような質問をしたわけですが,まあまだ機会,(不規則発言あり)ええ,よその都市じゃない,もう外国は公営でいっぱいやっとります。(笑声)だから,プレー費が安くて市民が喜んどるわけです。そういうところをひとつ,レジャー時代が到来するわけでございますので,市長さん,みずからがひとつ,「おい,前本が言うのも一理あるぞ」というので,(笑声)(不規則発言あり) そうですね,まあそういうことで,ひとつ幹部会で,もう1回検討していただくように,これもできるまで,伊藤先生の能舞台じゃないですが,できるまで……。  (笑声)よろしくお願いします。それじゃ……。 ○副議長(米田十郎君) 市長。 ◎市長(荒木武君) 公営のゴルフ場の新設でございますが,随分時代も変わったなという思いをいたしておるわけでございます。(笑声)  私が市長に当選いたしました昭和50年,ちょうど太田川の現在の河川敷のゴルフ場問題が,子供のために開放せえと,こういうことが強く叫ばれておったところでございます。  私も,ゴルフ場については関心がございまして,昭和36年にアメリカに参りましたときに,その当時の最高の品と言われるモグレーガーのゴルフ道具を買って帰ったわけでございますが,(「マグレガー」と呼ぶ者あり)マグレガー──(笑声)私はゴルフをやっておりますと,子供だけがスポーツをするのではないんですよと,生きておる者が,高齢者であろうと,スポーツを通して,健康で人生を終わることが理想ではないか。だから,そういう点は十分に考えて,子供子供と言うなと,こういうことで,私はついにゴルフをやることをあきらめたわけでございます。(笑声)  十二,三年たちますと,この会議場から積極的に公営のゴルフ場をつくるべしと,こういうような提案でございますが,やはり全体のことを考えながら,アメリカの方では,ただのような土地をゴルフ場として公開しておるところでございまして,ゆうべのテレビではございませんけれども,NHKのカルガリーに派遣されておったアナウンサーが,1平米の広さを示しながら,2,200万円ぐらい,一坪当たりの──3.3平米当たりの値段,2,200万円だったと思いますが,2,200万円で,カルガリーでは相当の広さの土地が求められると,こういうことでございまして,こういうところでは,それは,はい,そうですかということで,公費を使うこともできますけれども,はい,そうですかというわけにはいかぬところがあると思うわけです。(笑声)  だから,皆さん方で,これだけの土地を寄附するから,ひとつ,(笑声)こうやったらどうかと,こういうような,やはり発想もしてもらわなきゃいかぬと思うわけです。  最近は,やはり私ども終戦後の広島市会議員といたしましては,一つのことをやるのにも大変な苦労をしたことが思いやられるわけでございまして,今の議会では,何でも言えば,いつかはそれが実現できると,こういう時代でございますので,もう少しやはり真剣に,(笑声)執行部で全部やるようなことがないように,いい知恵を具体的に出していただきたいと,こういうことを特にお願いを申し上げ,(笑声)予算特別委員会でしゃべらないようにいたしておきたいと思うわけでございます。 ○副議長(米田十郎君) 建設局長。 ◎建設局長(柳川幸雄君) 広島沼田道路がアジア大会までにできるかどうかという端的な質問でございますけれども,アジア大会までに私どもがやろうとして,今,力を入れて──注いでおりますのは,東野長楽寺線の建設でございます。  で,これを今,膨大な費用と人を使いながら,新しく開発局も設けて推進していこうというふうに努力をしておるわけでございまして,広島沼田道路につきましては,先ほども議員御指摘のように,事業費が非常に膨大なものがかかりますし,それからまた,市域内のルートの選定あるいは交通混雑,そういったものを解決すべきこともかなりございますんで,この部分のこの道路につきましては,西部丘陵都市の建設とあわせて進めていきたいというふうに考えております。 ○副議長(米田十郎君) 本日は,この程度にとどめ,明日引き続き総括質問を行います。  ─────────────────────────────────              次会の開議通知  ───────────────────────────────── ○副議長(米田十郎君) この際,御通知を申し上げます。明日は午前10時より議会の会議を開きます。  ─────────────────────────────────                散会宣告  ───────────────────────────────── ○副議長(米田十郎君) 本日は,これをもって散会いたします。御苦労さんでした。              午後4時39分散会  ─────────────────────────────────      議   長   柳  坪     進      副 議 長   米  田  十  郎      署 名 者   種  清  和  夫      署 名 者   都 志 見  信  夫...